相似、三平方、円関連の知識を駆使して解く総合問題です。
実際の入試では、誘導設問が前段にあるのですが、「円問題」に取り組む練習として誘導なしでやってみましょう。
【問題】
図のように、線分CEを直径とする円Oの円周上にA~Gの7つの点があり、
「AB〃GC,BD〃CE,CE⊥DF」
である。
線分CEと線分DFの交点をH、線分ABと線分FGの交点をIとする。
OC=5,CD=9,AB=9のとき、線分FIの長さを求めよ。
(答え;10√19/9)
【解説】
「円問題」に取り組む際は、まず、
「相似な三角形」
を正しく把握することが大切です。
今回の場合は、
「△AFI∽△DCE(∽△HCD)」
の把握が鍵になってきます。
そこから、
「∠FAI=∠CDE=90゜」
であることを用いれば、簡単に解けてしまいます。
つまり、
「線分BFは直径」
であることがわかるので、三平方より
「AF=√19」
よって、
「△AFI∽△DCE」
であることから3辺比を用いて、
∴FI=10√19/9
なお、実際の入試問題では、
「△AFI∽△HCD」
を前段の設問で証明させています。
まず、
「円に内接する四角形AFDB」
において、
「∠FDB=90゜」
であることから、
「∠FAI=90゜」
が簡単に導けます。
また、
「∠AFIは弧AG=弧BC=弧DEの円周角」
であることから、
「∠AFI=∠DCE」
となり、2角相等により、
「△AFI∽△DCE∽△HCD」
となりますね。
この証明問題が誘導することで本問題が解きやすくなっている訳ですが、
「円の内外における相似な三角形」
を“正しく”把握する練習は大切です。
“方べきの定理”の原理も正しく理解せずに、便利さで使ってしまっているような場合は、特に注意が必要です。