数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

方程式

“整数・小数部分”問題(2022灘)

一度でも解いた経験があれば、試験本番で焦らずに対処できるであろう問題です。 実数であれ有理数であれ「数」というものは、たとえその値の範囲が有限に設定されたとしても、“無数”に存在しますね。 しかし、「整数」という条件が付加されると“有限個”に絞…

係数や解が“厄介な値”の方程式(2022城北)

次のような方程式の問題を、皆さんだったらどのように解いていくでしょうか。 【問題】 xの2次方程式 の解の1つが、 であるとき、aの値と、もう1つの解を求めよ。 ある“模範解答”では、 「解の値を方程式に代入してaの値」 を求め、 「解の公式からもう1つの…

“2022”不定方程式問題(2022渋谷教育学園幕張)

定番の「西暦年数“2022”」を用いた、前回の“鉄則”を再確認するための不定方程式の練習問題です。何でもない問題ではありますが、それだけにケアレスミスだけは絶対にしないように気をつけましょう。 【問題】 xy-x-y+119=2022 を成り立たせるような、正の奇…

「不定方程式」に取り組む際の鉄則(2022慶應義塾・改題)

今回取り上げる「不定方程式」は、高校入試の段階においては上級編の部類に入るものでしょう。最終手段である“ゴリゴリ力業作戦”で対応しようとすると、特に入試本番においてはくじけてしまうことでしょう。難関校の入試では、力業しか対応策がないような問…

「小問集合」定番問題の練習(2022都立立川)

都立高校等の入試の冒頭部分で出題されることの多い「小問集合」の、定番問題の練習をやっておきましょう。この前より簡単な「サイコロの“2つ”の目の数」と「西暦年数」を絡めたものと、「2次方程式の2解が共に整数となる」という条件の“超”定番問題です。今…

不定方程式の整数解が存在するための条件(2021広島大附・改題)

ごくごく一般的な不定方程式の問題ですが、出題方法がちょっとだけ変わっているので、一応やっておきましょう。 【問題】 xを整数とし、「xに1を加えた数」と「xからmを引いた数」の積をnとする。 (1)n=10のとき、xが存在するような自然数mの値を全て求めよ…

“2021”西暦年数問題-2

これまた定番の「西暦年数問題」です。基本問題の範疇ですから、時間がかかってしまったり、解ききれなかったりする場合は、しっかり復習し直しましょう。 【問題-1】 (√2021)x+(√2019)y=2,(√2019)x+(√2021)y=1 のとき、x×x-y×yの値を求めよ。【問題-2】 N=√…

「整数・小数部分」のちょっとオモシロイ問題(2021西大和学園)

ある数の「整数・小数部分」に関する問題は、入試においては定番でもあり、皆さんもどこかで解いたことがあると思います。 そこで、まずはこの問題を解いてみましょう。正しくサッと解ききれるのであれば問題ないのですが… 【問題】 aは50以下の素数とする。…

2つの2次方程式の解の和(2021灘)

「2つの2次方程式」がらみで、もう1問やってみましょう。「2次方程式」にはかなり慣れてきているとは思いますが、難関校合格をめざす人向けの問題となります。小問集合の中の1問とはいえ、意外と手こずるかもしれません。 【問題】 a,bを0でない定数、c,p,q…

「共通な解が1つ」である2つの2次方程式

高校生以上がパッとみると、 「2つの2次関数のグラフの共有点問題?」 と、変な方向に行ってしまうかもしれませんね。この問題では「判別式」は関係ありませんので、よく読み直してみましょう。原題の高校入試問題では誘導設問があるのですが、この時期の受…

有名な数列を知っておこう!

1,1,2,3,5,8,13,21,...これは、有名なフィボナッチ数列ですね。初めて見る人にとっては、どんなルールに則って数字が並んでいるのか、見当がつきにくいかもしれませんね。 (※1+1=2,1+2=3,2+3=5,3+5=8,...) そこで、出だしがフィボナッチ数列と似ている、1,…

“2次方程式と整数”問題(2021慶應義塾女子)

この学校の十八番である「整数問題」と2次方程式とを絡めた入試問題です。「2次方程式の解と係数の関係」に主眼を置いた問題は頻出していますが、今回の問題は“そのようでありながらそうではない”ちょっとオモシロイ問題となっています。原題は、小設問によ…

“受験算数”を全てのこどもには勧めない理由

【問題】 Aさんが10歩で歩く距離を、Bさんはいつも8歩で歩きます。 Aさんが625歩進んでから、Bさんが同じ地点からいつもと同じ歩幅で、Aさんの1.5倍の速さで追いかけました。 BさんがAさんに追いつくのは、Bさんが出発してから何歩進んだときですか? 但し、…

ちょっと注意が必要な文章題(2021神奈川県立/追試・改題)

文章題を解くには、中学生以上ならば、まず「方程式」を立てることを考えますね。その際に、ちょっとした注意が必要になるように、実際の入試問題をアレンジしてみました。なお、小学生でも十分解けるはずです。 【問題】 箱に入ったいくつかのりんごと、そ…

2次方程式の解が有理数となる条件

これも「2021大学入学共通テスト」から、中学生に向けた出題です。“判別式”を習っている中学生もいますが、一般的には発展事項に属する内容となります。しかし本問題は、判別式という概念が未習であっても、よく考えれば解けるはずです。しかも、高校生より…

“未知数“をできるだけ少なくしてみよう!

文章題を解く際には、一般的には、 「できるだけ未知数を少なく」 して考えた方が手間は減ることが多いでしょう。 (※敢えて「未知数を多く設定」した方が考えやすくなる場合もあります。)小学生も、 「未知数が1つ」 であれば、十分に解ききれるはずです。…

小学生にも解ける「“分配”文章題」

「文章題を解く」 にあたっては、中学生以上はまず、 「方程式を立てる」 ことが全ての基本となりますね。一方小学生は、基本的には、様々な“算数テクニック”を用いて解くしかありません。 今回の問題は「未知数が多い」設定なので、小学生にはちょっとハー…

「2次方程式の解が1つ」→判別式?(2020明大明治)

「姉貴、4次方程式ってどう解くの?」 「え?複2次式タイプじゃなくて?」 「うん、全ての項がフルラインナップのやつ」 「そんなの、中学生に解かせる訳ないじゃん!考え方が間違っているんじゃないの?」 本来的には、高校課程で習う「判別式」。 しかし、…

「豊島岡女子」の入試問題は模試にオススメ!

豊島岡女子の入試問題は、昨年(2019年)より、上位向けの非常に良質な内容になっています。難関校をめざす人は、一通り学んだ後に同校の昨年・今年の入試問題を、模試がわりにやっておくことをお勧めします。なお、同校は2022年度から高校募集を停止する予定…

ちょっとオモシロイ2次方程式(2020慶應志木)

入試問題の「小問集合」からの出題です。 初っ端の問題ですから、チャッチャと片付けてしまいたいところです。力業でも解けますが、この問題をそのように解いていたら、他に大問が多数控えている段階では賢明ではありませんね。挙げ句の果てに、答えが導き出…

素数と“接する作法”を学ぼう!(2020早実)

問題の難易度を上げたけれは、“思考する内容”をレベルアップさせるのは当たり前ですね。内容的には平易なのに、問題文を理解し辛くさせることで、さも“難しい問題”かのように見せかけるのは邪道極まりありませんね。 以前、ある都立の入試問題で、内容的には…

約数3個の総和(2020慶應女子)

「もう2次方程式解けるようになった?」 私立K高校に通う姉が、公立中に通う弟に尋ねました。「因数分解して解く方法ならできるけど?」すると、姉は 「だったら問題! ある自然数Nの約数は3個で、その総和が183であるとき、Nの値は?」「そんなの、めんどく…

小学生でもチャレンジできる難関校の平均値問題(灘)

来年の都立高入試において、「三平方の定理」が出題対象外となるようですね。となると、 “線分の長さを求めるための2本柱” の1つがなくなることになり、幾何問題への影響がかなり大きくなってきます。 「比を複合させて解く問題」が、平面・空間共にメインに…

2元2次の不定方程式(中級編)

中3生の皆さんは、標準的な「因数分解」ならば、できるようになっているはずですね。 とすれば、次のステップの「整数問題」に進めることを体感してもらいましょう。「1次の不定方程式」 ならば、力業で押し切ってしまっても、まぁ“可”でした。しかし、 「2…

中学生も2020センター試験に挑戦!(循環小数編)

2020センター試験(数学Ⅰ・A)では、「循環小数の分数化」が選択問題として出題されました。「n進数の循環小数」にまで拡張させた、ちょっとオモシロイ問題でしたね。 中学生には、そこまでいくと背伸びしすぎとなるので、10進数にとどめておきましょう。実…

連立方程式-2

入試問題では、冒頭に「小問集合」があることが多いですが、ここを短時間で確実に得点源にできるかが合否に大きく影響してきます。「連立方程式」を正しく解くのは当然のこととして、最短ルートで解けば時間を稼げますね。 【問題】 次の連立方程式を解きな…

小学生が兄・姉・親の鼻をあかす?問題

普段からやり込められている兄・姉、 いつも教えてもらうばかりで歯が立たない親に、 小学生が鼻をあかすことができるかもしれない問題です。中学受験の勉強をしていたり、クイズや理詰めで考えるのが好きなタイプの小学生ならば可能だと思います。 【問題】…

連立方程式(2019國學院久我山)

甲子園出場を祝して1問抜粋します(「小学生向け」もあり)。【問題】 (1)A+B+2C+D=1 (2)A-2B+C-D=-2 (1),(2)式を連立させて解くと、A,B,C,Dのうち0でないものは1つだけであるとき、A,B,C,Dの値を求めよ。 (※表現は一部変更)小問集合の中の1問です。 2~…

(続)受験算数から「数学」へ

前回の問題、中学生ならばどのように解くべきか。 まずは、「8%の食塩水をA(g)混ぜた」と設定します。 食塩水問題で大切なのは、 「混ぜる前と後とでは食塩の量は不変」 ということでしたね。 (これを用いて「面積図」の手法は考えられていますね!) 混…

受験算数から「数学」へ

食塩水問題を題材として、取り組み方を説明しておきます。 【問題】 3%の食塩水150gと8%の食塩水を何gか混ぜたら5%の食塩水になった。 8%の食塩水を何g混ぜたか? 中学受験に向けて進学塾に通っている小学生ならば、簡単に「100g」と解いてしまうでしょ…