数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

「整数」に親しんでおこう!

「整数問題」は、苦手とする生徒が多い出題分野です。

よって、力業で解こうとするお子さんも多いことでしょう。

しかし、様々な原理をしっかり理解できれば、取り組みやすくなるはずです。

難関中・高・大をめざすならば、
「整数問題を克服することは必須」
といっても過言ではないでしょう。


下記の問題は、中学入試(2017鴎友学園女子中)で出題された問題ですが、若干アレンジすれば高校入試にも使える問題になります。


【問題】
整数Aで39,81,111をそれぞれ割ったら余りが等しくなった。最大の整数Aとその余りは?


【解答(初級編)】

小学生が解くならば、まず棒グラフのような図を描いて考えましょう。

そうすると、「各数の差」が何を表しているか見えてきませんか?
(余りの部分の末端を揃えた棒グラフにすると・・・、見えてきましたか?)

図とにらめっこしていると、
“「各数の差」は「Aの倍数」”
となることが見えてくると思います。

ここまでわかったら、
「最大のAは(42,30,72)の最大公約数」
であるはずですね。

つまり、「最大のA=6、余りは3」と求まります。


【解答(上級編)】

中3生くらいならば、「合同式」を用いて解けるようにしておくといいでしょう。
(※冬休み頃までにマスターできればいいので焦る必要はありません。)


余りをmとすると(0≦m<A)、
39≡81≡111≡m (mod A)
これらを辺々引いて
42≡30≡72≡0 (mod A)

つまり、
「AはG.C.D.(42,30,72)=6の約数」
とわかります。

これより、
最大の整数A=6で余りは3
と求まりますね。