数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

整数・小数部分(2018ラ・サール)

対称式絡みで出題されることが多い分野ですが、少し変わった角度からの出題です。


【問題】
正の数aの小数部分をbとするとき、
(aの2乗)+(bの2乗)=30を満たすa,bは?


【解答】
小数部分がbなので0≦b<1

よって0≦(bの2乗)<1

代入して0≦30-(aの2乗)<1

整理して29<(aの2乗)≦30


これより、「aの整数部分は5」とわかります。

つまり「b=a-5」ですね。


あとはこれを与式に代入して2次方程式を解くだけです。

aが正であるので、

a=(5+√35)/2、b=(√35-5)/2

と求まります。


答えに無理数が入っていることからわかるように、“力業”で太刀打ちするには無理がありますね。

「一つの不等式を立てて変形させながら理詰めで絞り込んでいく方法」も“頭の中の引き出し”に組み入れておきましょう。

高校課程の数学に向けての訓練となります。