今年は出題されませんでしたが、国立高校の入試問題では「複合的な比をうまく処理する力」が必須です。
例えば、2018年の【4】問3は、その能力を問われる問題です。
しかし典型的な問題なので、この類の問題を繰り返し解いてきた通塾生には何のことはないでしょう。
<ステップ1>
弧AP:弧PB=2:1,弧AQ:弧QP=1:1
という与条件より
弧AQ:弧QP:弧PB=1:1:1
よって
∠QAP=∠BAP
ここでAPとBQの交点をSとすると
△ABQにおいてASは∠BAQの二等分線より
QS:SB=AQ:AB=1:2
<ステップ2>
次に着目するのはQ,R,Mを含む平面で、
本問では△BCQが最適平面です。
現段階で△BCQの中で判明している比は
BM:MC=1:1(与条件)
QS:SB=1:2(ステップ1)
ここで、通塾生ならば“メネラウス”を用いても構いません。
今回はメネラウスを用いずに“比の移動”で解いてみましょう。
何パターンか考えられる中の1例を示します。
まず、「SからQMに平行な直線」をひきます。
(その直線とBCとの交点をTとする。)
この補助線がひけるか否かが重要です。
ある程度の問題数を解いていればひけるのですが、苦手な人が多いのも確かです。
どうしても苦手ならば、メネラウスの定理を正しく覚えて使えるようにしてもいいでしょう。
この補助線がひければ、
BT:TM=BS:SQ=2:1
とすぐわかり
TM:MC=1:3=SR:RC
と簡単に導けるはずです。
よって
(R-APB)=(C-APB)×1/4
∴(R-APB)=√3/3
メネラウスの定理を用いたいならば、必ず一度証明しておくことです。
比を複合的に処理する原理がわかり、いい勉強になります。