入試前の最終問題は、立体問題の題材となる可能性の高い「立方体」にしましょう。
「“辺”上の3点を通る平面」
による切断は、準備万端だと思います。
そこで視点を変えて、
「“面”上の3点を通る平面」
による切断をやっておきましょう。
なお、当初から伝えてきたように、
「正多面体に親しんできた」
ならば、さほど難しくは感じないはずです。
【問題】
1辺8の立方体ABCD-EFGHがある。
線分AC,AF,AH上にある点をそれぞれP,Q,Rとし、その3点P,Q,Rを通る平面で立方体を切断する。
その際にできた立方体の切断面を底面とし、点Aを頂点とする錐体の体積を、次の各々の場合について求めよ。
(1)3点P,Q,Rが、それぞれ線分AC,AF,AHの中点である場合
(2)3点P,Q,Rが、それぞれ線分AC,AF,AHを7:1に内分する場合
【解説】
(1)
「3点B,D,Eを通る平面」
で切断すれば、題意を満たしますね。
∴8×8×1/2×8×1/3=256/3
(2)
「(1)の切断面BDEと平行な切断面」
を考えていけばよいので、図のように
「六角形の切断面」
となることがわかります。
この六角形は、
「1辺10√2の正三角形」
から
「1辺2√2の正三角形×3」
を取り除いた形ですから、
六角形の面積=44√3 (*1)
次に、この「六角形の切断面」から頂点Aまでの距離(h)を求めます。
そのためには、立方体の切断面AEGCで考えればいいですね。
このときに、正多面体である立方体の特性を理解していれば、hはすぐに求められるはずです。
つまり、
「立方体の対角線AGは面BDE・面CFHと直交」
していることから、
h=7√2×(√2/√3)=14√3/3 (*2)
よって、(*1),(*2)より、
∴六角錐の体積
=44√3×14√3/3×1/3
=616/3
合格へ向けての最後の一押しにつながれば幸いです。
受験生の皆さんの健闘を祈ります!