「立体の見取り図を与条件通りに描く」
ことができると、複雑な立体問題にも対処しやすくなります。
とはいえ、立体どうしが重なり合う場合、
「“交点・交線”が立体のどの位置にあるのか」
が頭の中で正しく把握できていれば、問題ないでしょう。
下記の問題は、それほど複雑ではありませんが、変な図を描いて考えていると、時間がかかってしまうかもしれません。
今年の高校入試問題なのですが、小学生にも簡単に解けるはずです。
【問題】
1辺2の立方体ABCD-EFGHがある。
辺BCの中点をIとし、
直線AE上にAJ=2となる点Jを点Aの上方にとる。
このとき、四面体FGIJと立方体ABCD-EFGHが重なる部分の体積は、立方体ABCD-EFGHの体積の何倍となるか?
【解説】
まず、
線分ABと線分FJとの交点をK、
線分GJと面ABCDとの交点をL、
とします。
すると、立体どうしが重なり合う部分は、
「五面体IFGLK」
だとわかります。
その際、
「点Kは辺ABの中点」
「点Lは正方形ABCDの対角線の交点」
と正しく把握できていれば、
「2つの三角錐に分けて考える」
ことで体積は簡単に求まりますね。
そこで、別の方法でも考えてみましょう。
まず、
「点K,Lは線分JF,JGの中点」
であることから、
「四角錐I-FGLKは三角錐I-FGJの3/4倍」
とわかりますね。
(∵底面積比より)
ここで、例えば、
「三角錐I-FGJ=三角錐E-FGI」
なので、
「立方体の1/6倍」
とわかるので、1/6×3/4=1/8より、
∴四角錐I-FGLKは立方体の1/8倍
“等体積変形”することで、立体の体積を簡単に求められることも知っておきましょう。