中3生の皆さんは、標準的な「因数分解」ならば、できるようになっているはずですね。
とすれば、次のステップの「整数問題」に進めることを体感してもらいましょう。
「1次の不定方程式」
ならば、力業で押し切ってしまっても、まぁ“可”でした。
しかし、
「2次の不定方程式」
では、因数分解を用いると楽に取り組めるようになります。
「方程式で因数分解?」
という疑問も現段階ではもっともですが、まずは自分なりに試行錯誤して工夫してみましょう。
その“試行錯誤”があなたを成長させます。
【問題】
「a×a+a-2-b×b-b+6=14」
を満たす整数(a,b)を全て求めよ。
但し、
「a+b>0,a-b>0」
とする。
【解説】
部分的に、
「a×a+a-2」
と
「-b×b-b+6」
ならば、別々に因数分解できるけれど、これではあまり楽にはならないなぁ…
と判断したら、他の組み合わせも考えてみましょう。
(※「因数分解せよ」という問題であったならば、必ず因数分解できるように作られているので、万能的に対処できる方法もあります。しかし、“応用編の因数分解”を一通り学んでから理解すべきなので、今回は扱いません。)
まずは、
「文字の項を左辺、定数項を右辺」
に分けてから、
「左辺を因数分解」
することを考えましょう。
a×a+a-b×b-b=14+2-6
a×a-b×b+a-b=10
(a+b)(a-b)+(a-b)=10
(a-b)(a+b+1)=10
これで、この不定方程式に取り組む準備が完了しました。
(※“左辺が因数分解できない場合”が次のステップの問題となります。)
そして、
「a+b>0,a-b>0」
という条件を正しく捉えなければいけません。
「a>b>0」
と捉えてしまうミスが多いので注意しましょう。
「b<0」
でも条件を満たす場合がありますね。
以上に注意しながら検討すると、
「a-b=1,a+b+1=10」
「a-b=2,a+b+1=5」
「a-b=5,a+b+1=2」
の場合が条件を満たすことがわかります。
∴(a,b)=(5,4),(3,1),(3,-2)
このように、
「2次の不定方程式」
は、
「因数分解した式=整数」
の形に変形することで取り組みやすくなります。
(※最難関レベル以外はこのタイプでしょう。)