選択問題の【第5問】は平面幾何問題ですが、そのままの内容で、特に難関校をめざす中学生にピッタリの練習問題になるでしょう。
「内・外接円」に関連した定番設問が、誘導を伴いながらズラッと並び、入試直前の理解度確認に適しています。
詳しくは、新聞やネットに掲載されている問題をコピーしてやってみるといいのですが、添付図は全くなく、概略下記のような条件設定です。
【条件設定】
△ABCにおいて、AB=3,BC=4,CA=5とする。
∠BACの二等分線と辺BCとの交点をD、△ABCの外接円Oとの交点のうち点Aとは異なる点をEとする。
△ABCの2辺AB,ACの両方に接し、外接円Oに内接する円の中心をP(半径をr)とする。
さらに、円Pと外接円Oとの接点をFとし、直線PFと外接円Oとの交点で点Fとは異なる点をGとする。
△ABCの内接円の中心をQとし、円Pと辺ABの接点をHとする。
【解説】
添付図が全くないので、まずは図を描くことから取りかかります。
但し、微妙な設定なので、普段から図を大雑把にしか描かない人は苦労するかもしれません。
頭の中でしっかり条件把握ができている場合は、それでも全く問題ありません。
しかし、平面幾何に苦手意識を持っているような場合は、
“与条件をできるだけ正確に図に反映させる”
ことで、問題を解くための大きな助けとなってくれます(以前から伝えてきましたね)。
ある程度「円問題」に慣れていれば、
「円Pと辺ACの接点は点O」
というイメージがたてやすいはずなのですが、そうではない場合も少なからずあるでしょう。
そこで、下記のような図を描いたとしましょう。
与条件を反映させた図ではあるものの、実際の位置関係(点H'=点O)とは若干異なったものです。
しかし、このまま解いていっても最後の設問まで正しく答えることができます。
「AHの長さ」
を求めたところで、図が若干違っていたことに気づくはずですが、最後の
「共円の判定」
の設問にも、この図のままでも十分正しく答えられます。
とにもかくにも、
「与条件をできるだけ正確に反映させた“大きな”図を描く」
ことを、特に幾何問題が苦手な人こそ、忠実に実行することを勧めます。
苦手な人ほど、
「与条件がわからなくなるくらいのゴチャゴチャした“小さな”図」
であったり、
「“超”いびつな円」
とにらめっこしながら悪戦苦闘しているケースが多いです…。
キレイでなくてもいいのです。
多少いびつでも“大きく丁寧に”描いてあれば、十分に理解の助けになるはずです。