数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

頭の中だけで解ける幾何パズル(2021慶應義塾中等部・改題)

今年の実際の中学入試問題ですが、電車の中や湯船につかりながらでも、頭の中だけで解けてしまう幾何問題です。

小学生には反感を買うかもしれませんが、中学生以上ならば“楽しめる幾何パズル”といった感じでしょう。


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【問-1】~幾何パズルの定番~
おうぎ形OABを、図のように線分APを折り目として折り返すと、中心Oが円弧上の点Qの位置にきた。
∠PQBの大きさを求めよ。

【問-2】~定番の相似問題~
正三角形ABCの辺上に図のように点P,Q,Rをとると、∠APQ=∠BQR=∠PBRとなった。
AP=6,PC=3のとき、AQ:BRの線分比を求めよ。


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【問-3】~正六角形~
1辺6の正六角形ABCDEFがある。
辺AF上にAP=5となる点Pをとり、辺CD上にDQ=3となる点Qをとったとき、五角形ABCQP:五角形DEFPQの面積比を求めよ。


(答え;15゜,6:7,11:7)


【問-1】は、頭の固い大人だと「正三角形OAQ」に気づけないかもしれませんね。

【問-2】は、相似な三角形より「AQ:BR=AP:BQ」となりますね。

【問-3】は、
「正六角形は6個の等積な正三角形に分割できる」
ことから、
(6+6)/4=3=△ABC=△DEF
とおけるので、
五角形ABCQP:五角形DEFPQ=(3+5+3):(3+1+3)=11:7
と暗算できてしまいますね。



これでは手応えがないでしょうから、【問-3】をちょっとアレンジしてみましょう。
小学生にも解けるはずです。


【問題】
正六角形ABCDEFの辺AF上にAP=5となる点Pをとり、辺CD上にDQ=3となる点Qをとる。
五角形ABCQPと五角形DEFPQの面積比が31:23となるとき、正六角形の1辺の長さを求めよ。


(答え;9)
∵1辺の長さをxとして
(x+2):(x-2)=11:7より