数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

学習指導の成果を見極めるには

こどもたちは、親が判断した何らかの目的のもとに、学校以外で学習指導を受けているケースがほとんどだと思います。
 
あまりにも基本的な学習習慣がついておらず、親がみてあげる時間もとれないような場合は、まずは○○式などの街塾やタブレット学習などが敷居が低いでしょう。
 
それだけで自ら学習する習慣さえついてくれれば、それらを提供する組織の役目は果たしたことになります。
 
だからといって、その学習を例えば
「(誰でも最低限必須となる)高校受験」
まで継続するのは、効果的とは言えないでしょう。
 
もし、それらの組織が販促活動でアピールしているように、それだけで自らの志望する学校に進学できたのであれば、それはその子の自学の地力が元々あったからに他ならず、むしろ別の挑戦をしなかったが故に
「さらなる発展学習の機会を逃してしまった…」
という見方もできるでしょう。
 
但し、何よりも一番大切なことは、
「こどもたちがその時期にしか体験できないようなことをイキイキと存分に楽しめる環境にいる」
ことであって、
「何が何でもより高度な勉強を進めさせる」
ことが第一ではなく、ましてやそれがために
「こどもそれぞれに存在する大切な“何か”」
を失わせてしまうようなことだけは絶対に避けなければなりません。
 
よって、親の押し付けではなく、こども自身がしっかり考え抜いた上で、
「より高度に学習を進めてみたい」
と言ってきたのであれば、まずは試しに実績のある進学塾や家庭教師にその指導を委ねてみてもいいと思います。
 
そして、その指導をその後も受け続けるべきか否かを判断するための第一基準は、
「こども自身に継続意欲があるかないか」
ですが、なかなかその辺の本心や成果をつかみかねるような場合は、次のような客観的基準をもとに判断することを勧めます。
 
 
まず、新たな指導を受け始めたときから、
「家庭学習の進め方に何らかの変化」
が必ず起きます。
(※逆に何の変化も起きないようであれば、その指導は受け続けるべきではないでしょう。)
 
そしてその結果が現れ始めるのが、
「指導を受け始めて大体1ヶ月くらい経った頃」
からです。
(※週1~2回で足掛け期間での目安)
 
授業や指導を受けただけで著しい成果が出てくることもありますが、それはそのこどもの学習レベルがある程度高い場合に限られます。
 
学習に成果が現れる原動力は、
「家庭学習」
にこそ存在するので、ある程度の期間がどうしても必要なのです。
 
中学生であれば
「学校の定期テスト」、
小学生であれば
「ある程度の規模の塾・教材会社の公開テスト」
の結果が指導を受ける前より改善しているかで、成果を判断してください。
 
こどもによって差はあるので、
「指導を受け始めて大体2ヶ月くらいまで」
は待ってもいいですが、それ以上経っても成果が現れないようであれば、
「その指導はそのこどもに合っていない」
と判断していいでしょう。
(※塾などに通っているものの成績がふるわず別の指導を施した場合も、同様の判断で構いません。)
 
 
塾にしろ家庭教師にしろ、かなりの費用がかかることなので、上記を参考に早めに次のステップを考えた方がいいと思います。
 
 
 
★なお、これも今までに色々と記してきましたが、
(特に大手進学塾の)塾長及びスタッフには要注意!」
であることをくれぐれも忘れないでくださいね。
 
初めて塾を訪れたときに、
「何か頼もしそうだしニコニコしていて感じがいいなぁ…」
との印象を持ってしまったら、それは彼等の術中にはまり始めている証拠かもしれませんので。
 
“お金が絡んだ関係”であるのに、最初から感じがいいと感じるときこそ、逆に十分に気をつけなければいけませんね。
 
彼等は、
「あなたがどんなことに悩んでいて何を言ってあげれば信頼されるか」
を様々な保護者たちから学び尽くした、いわば
“歴戦の勇(?)”
であり、満面の笑みを湛えながら
「黒いものを“平気で”白いと言い切れる人物」
だと用心しながら接しましょう。
 
まぁキツい言い方ではありますが、それぐらいの心構えでいれば、自分を見失うことなく「我が子を預けられるか」の相談をすることができる、と思ってください。
 
お子さんが1ヶ月くらい通塾してみた段階で、継続するか否か判断しかねる状況の場合の相談相手は、塾のトップである必要はないので、ある程度事情をわきまえている実直そうな先生を選んでみるといいでしょう。
 
といっても非常に難しいですよね。
(※実直そうに見えて、実は塾と一蓮托生の太鼓持ちかもしれませんし…)
 
だからこそ、自分のこどもに
「どの先生が一番信用できそう?」
と素直に尋ねてみましょう。
 
意外と、こどももその辺の人となりを直感的に肌で感じ取っているはずなので、こどもの意見を信じてみてもいいと思います。
 
・現状を正確に捉えられているか
・今後の展望をどのように描くことができるか
・そのためにはどのような手段があり得るか
などを、親にとっては厳しい意見であっても誠実に言い切れる先生であれば、その人に突っ込んだ相談(通塾を継続すべきか否か)をしてみてもいいと思います。
 
 
★また、「学生の家庭教師」についても補足しておきます。
 
どんな大学の学生であろうと、所詮は
「まだまだ“人生経験の浅い”大学生にすぎない」
ということを念頭に置いておく必要があるでしょう。
 
まず、
「学生本人の学力レベルと指導力レベル」
は一致する訳ではありません。
 
「(難関として有名な)○○大学の現役生です!」
みたいなうたい文句にあまり期待を抱かない方が賢明でしょう。
 
その学生が育ってきた環境と学力レベルがお子さんとマッチする場合ならば、近い年代の共感できるアドバイスなどで良い成果を得られるかもしれませんが、例えば何百何千人と生徒をみてきたプロと比較してみると、その指導対応力に歴然たる差があるのは事実です。
 
「とにかく一度試してみてうまくいけば…」
くらいの心構えでいれば、次へと頭を切り替えることもたやすいと思います。