数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

「異なる4点」を直線で結んでみると・・

「異なる4点」が同一平面上にある場合、その4点を直線で結んでみると、どのような図形が形成されるでしょうか。

「1つの線分、三角形、四角形」
が考えられますが、当然ながら“立体”は形成されませんね。

では、
「同一平面上にはない異なる4点」
を直線で結ぶと、どうなるでしょうか。


※なお、小学生のために豆知識を伝えておきましょう。

三角形において、
「3辺比が3:4:5」
となる場合、その三角形は直角三角形となります。

また、皆さんが持っている“三角定規”は、
「1:1:√2,1:√3:2」
という3辺比の直角三角形です。

このような、
「直角三角形を形成する3辺比の組み合わせ」
を自分で見つけることはまだ難しいですが、
「その組み合わせは無数に存在する」
ということは想像できると思います。


【問題】
AB=8,BC=10,CA=6となる△ABCがある。
PA=PB=PC=25/4となる点Pをとり、4点P,A,B,Cを直線で結ぶ。
このとき、形成される「図形の面積」または「立体の体積」を求めよ。

「全て求めよ」(2020埼玉県立・改題)

このような文言で締めくくられた設問の場合、大抵は、
「答えが複数あるな」
という予測をすると思います。

しかし、時には、
「答えは一つのみ」
であるにもかかわらず、“引っ掛け”てくることもあり得ますので、一応注意しておきましょう。

さて、今回の問題はどちらのパターンでしょうか。


【問題】

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関数y=x^2/2のグラフ上の2点A(-6,18),B(4,8)を通る直線をlとする。
また、放物線上の点Aから点Bの間の任意の点Pをとり、点Pを通るx軸と平行な直線と直線lとの交点をQとする。
「△BPQと△OPQの面積比が1:3」となるときの点Qの座標を全て求めよ。


【解説】
時間的な制約などで焦っていると、「与えられた図」に思考が引っ張られてしまい、
「答えは一つなのに“引っ掛け”だな」
と勘違いしてしまわないように注意しましょう。

今回の場合は、
「2点A,Bの位置関係」
から、下記のような2パターンが考えられますね。

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「点Bを通るx軸に平行な直線とy軸との交点をC」
とすると、
「直線PQとy軸との交点」
が、
「点Cより下の場合(点D)と上の場合(点E)」
で分けて考えなければいけませんね。

(1)下の場合(点D)
「CD:DO=1:3」
となれば題意を満たすので、
「D(0,6)」
これより
∴Q(6,6)

(2)上の場合(点E)
「CE:EO=1:3」
となれば題意を満たすので、
「E(0,12)」
これより
∴Q(0,12)
(※点Eと点Qは一致します。)

答え;(6,6),(0,12)

放物線と角の二等分線

「関数のグラフと幾何」の典型的な融合問題の一つです。

「関数y=ax^2」をまだ習っていなかったとしても、関数の基本がわかっていれば解けるはずです。
(※上記の関数のグラフは“放物線”と呼ばれる曲線となります。)


【問題】

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関数y=ax^2のグラフ上に2点A,Bがあり、点A(4,8)で点Bのx座標は2である。
y軸上に点C(0,4)をとったとき、∠ACBの二等分線と放物線との交点のうち、第一象限にある点Dの座標を求めよ。


(答え;(2√2,4))


【解説】
まず、A(4,8)を通ることから、
「a=1/2,B(2,2)」
を求めますね。

ここで、
「A’(0,8),B'(0,2)」
とおくと、
「△AA'Cと△BB'Cは直角二等辺三角形
であることがわかります。

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ということは、
「∠ACBの二等分線はx軸と平行」
となり、
「点Dのy座標は4」
だとわかるので、
∴D(2√2,4)

「比」だけで解いてみよう!(2020福井県立・改題)

「三平方」を使わずに解くことができる問題なので、小学生でも対応できるはずです。

但し、
「“図の感じ”から何となく直感で解いて“たまたま”正解だった」
というようなことがないか、注意しましょう。

論理的に裏打ちされた理由に基づいて正答を導いていないのであれば、それを指摘してあげるのは周囲の役割でもありますね。


“算数が得意”な小学生の中には、ほとんどを頭の中だけで処理して正答を導き出す子がいます。

正しい論理に基づいているか否かは、
「解いた経緯を説明(口答で可)」
させてみればすぐにわかります。

将来的には、「論理性を立証する」ことは大切なスキルとなるので、小学生のうちから慣れさせておくべきでしょう。

特に、お子さんのテストの点数の上下が激しいような場合は、留意しておくといいかもしれません。



【問題】

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上図において、△ABCはAB=AC=6,BC=4で、△BDE≡△ABCである。
点Cは線分BD上にあり、点Fは線分ACと線分BEの交点である。
線分AEをEの方に延長させた直線上に、AE:EG=5:4となる点Gをとるとき、△ACGは△ABCの何倍の面積となるか?


(答え;9/10倍)


【解説】
まず、
「∠ACB=∠EDB」
より、
「AC〃ED」
となるので、
「CD=FE=2」
「FC=4×2/3=8/3」

よって、
「AF:FC=10/3:8/3=5:4」
(※「AE:EG=5:4」から「BE〃CG」もわかるので、“相似図形の面積比”を用いる方法もありますね。)

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ここで、
「△AFE=5」
とおいて各図形の面積を求めてみましょう。

まず、
「△CEF=4」
となるので、
「△ACG=(5+4)×9/5=81/5」

また、
「△ABF=5×2=10」
となるので、
「△ABC=10×9/5=18」

∴△ACG/△ABC
=(81/5)÷18
=9/10(倍)

正四角錐の外接球

「多面体の外接球」
とは、一般的には、
「多面体の全ての頂点と接する球」
と捉えるのが普通ですが、一応語義としては、
「多面体の外部に接する球」
という意味でしかないので、中には、
「部分的に外接する球」
のような設定の場合もあり得るので、与条件はしっかり確認しましょう。

また、「正四角錐」も一般的には、
「正方形の重心の真上に頂点がある四角錐」
と捉えることが多いですが、これも、
「1つの面が正方形の四角錐」
と捉えることもできるので、一応注意しておきましょう。

※但し、良心的な問題においては、誤解を生まないような説明が必ず施されているはずです。


【問題】
1辺12の正方形ABCDを底面とし高さが12の正四角錐P-ABCDがある。
PA=PB=PC=PDとするとき、この立体の全ての頂点と接する球の半径を求めよ。


(答え;9)


【解説】
この問題は、例えば、
「△PACの外接円の半径」
を求めることと同じですね。

「外接球の中心をO」
とし、正四角錐P-ABCDの縦断面である、
「△PAC」
を用いて考えてみましょう。

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「点Pから線分ACへ下ろした垂線の足をQ」、
「点Oから線分APへ下ろした垂線の足をR」
とすると、
「△OAQで三平方」
もしくは、
「△PAQ∽△POR」
を用いて方程式を立てれば、簡単に
「外接球の半径(OA,OP)」
は求められますね。

ちょっとオモシロイ円問題(2020都立立川・改題)

これも、「円」を題材とした総合問題ですが、設定がちょっとオモシロイのでやっておきましょう。

小学生は、この設問に答えることはできませんが、
「この条件設定からわかること」
をできるだけ挙げてみましょう。

例えば、
・円の中心はどこになるか?
・相似、合同な三角形はどれか?
などについて考えてみましょう。


【問題】

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図のように、四角形ABCDは1辺2の正方形で、AE=ED=√2である。
3点B,D,Eを通る円と直線AD,CDとの交点で、D以外の点をそれぞれF,Gとする。
このとき、円周と弦FE,ED,DGで囲まれた部分(斜線部)の合計の面積を求めよ。


(答え;5π/4-3)


「斜線部の面積=半円-(△FDE+△FDG)」
で求まりますね。


(小学生用)
・円の中心は線分BE,FGの交点(中点)
・大切な相似な三角形は「△ABE∽△AEF」
・大切な合同な三角形は「△BEH≡△GFD」

2020都立国立/数学 概観

来年の入試では、
「三平方が出題範囲から除外」
されるので、同校お得意の
「比の複合問題」
にさらに磨きがかかるのではないでしょうか。

「点光源による立体の影」
などの問題は、練習しておいた方がいいかもしれません。



【1】(小問集合)
確実に全問正解にすべき内容です。


【2】(関数のグラフと幾何)
(問1),(問2-1記述問)は確実に解ききっておきましょう。
(問2-2)は、計算がやや大変なので、後に回して落ち着いて取り組んだ方がいいかもしれません。


【3】(円)
(問1),(問2-1)は確実に解ききっておきましょう。
(問2-2)は、「条件設定の勘違い」にさえ注意すれば、取り組みやすい内容でしょう。


【4】(立体)
全て取り組みやすい内容でしょう。
(問3)については、既に下記にて解説済みです。

https://mcafejr.hatenablog.com/entry/2020/04/10/134702



2019年の概観→
https://mcafejr.hatenablog.com/entry/2019/06/20/2019%E9%83%BD%E7%AB%8B%E5%9B%BD%E7%AB%8B/%E6%95%B0%E5%AD%A6_%E6%A6%82%E8%A6%B3