数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

小学生~中2生対応可能

立方体の塗り分け問題

以前にも取り上げた「立方体の塗り分け方」を題材とした問題。 立方体の塗り分け(2022慶應義塾志木) - 数学カフェjr. 今年のある難関大学入試でも出題されました。 しっかりと論理的に考えられるのであれば小学生でも解けますが、中学生以上であれば、多少…

古典問題に学ぼう!

どこかで聞いたことがあるような、ちょっと「ん?」と感じてしまう古典問題。 以前にも「油分け問題」などを扱ったことがありますが、長く取り上げられ続けているということは、その裏に「なるほど!」と思わず声が漏れてしまうような論理が潜んでいるからこ…

「2種類の比」の扱い方に慣れよう!

小学生は、基本的には方程式を用いて問題を解くことはないので、特に“受験算数”においては、「比」を駆使しながら問題に取り組むことになります。 そこで、ややテクニカルな手法を用いたりする場合もあるので、それに馴染めないと、“受験算数”が嫌いになって…

一度は解いておくべき計算問題

今回も、どこかで見かけたことがある人も多いと思われるものの、初見の人にとっては結構難儀してしまうような「計算問題」を取り上げてみましょう。 例えば、 【1/2+1/6+1/12+1/20+1/30】 という計算問題を出されたら、普通に通分して計算していく人も多いか…

図形どうしの面積の差

この時期は、なぞなぞのようなちょっとオモシロイ問題でリフレッシュしてみましょうか。 ある図形の面積を求めること自体は難しいものの、 「ある図形とある図形の面積の差」 であれば求めることが可能な場合があります。 例えば、 【問題】 正三角形ABCの辺…

“不向きな”こどもには無理強いしないこと!

まずは、次の問題を読んでみてください。 【問題】 A地点とB地点を結ぶ一本道を、 「PさんとQさんはA地点からB地点へ」、 「RさんはB地点からA地点へ」、 それぞれ一定の速さで移動する。 QさんとRさんはPさんが出発してから15分後に出発し、PさんとRさんが…

補助線の引き方を練習する問題

数学の幾何問題を解く際の重要な一手ともなる「補助線」。 中には、「え~っ!そんなところに?」と文句をつけたくなるようなアクロバティックな補助線が必要な問題もありますが、大概の入試問題は、論理的に考えていけば引ける補助線で対応できるはずです。…

“美しい”整数を調べてみよう!

入試もほぼ終わり余裕のあるこの時期、「整数」に首を突っ込んでみてはいかがでしょうか。 整数に関する様々な性質は、何かを習った後でないと学べないものではなく、いつでも誰でも学び始められます。 ですから、早いうちに取り組み始めた方が、もし興味を…

西暦年数“2024”問題

定番の「西暦年数問題」を最後にやっておこうと思いますが、今年の受験生であれば、「2024の素因数分解」は当然すぐにできるはずですね。■ もし、すぐに頭に浮かばないのであれば、万が一出題された場合の時間短縮を図るためにも、今のうちにやっておきまし…

開成中「算数」入試問題(2024)について

首都圏の高校入試直前のこの時期、何かオモシロイ問題はないかと「算数の中学入試問題」も一応チェックしてみるのですが、難関校の入試問題をみていてある意味感心させられたことがありました。 開成中の問題を最初から通しでチェックしてみたのですが、冒頭…

正五角形を題材としたオモシロイ角度問題

正五角形を題材とした出題の方向性は、高校入試レベルでは色々と考えられますが、「角度を求める問題」は定番の部類に入るでしょう。■ 中学入試問題で例えれば、今年(2024)の西大和学園中の問題あたりが妥当なところでしょう。■ しかしながら、今年の他の…

「円の接線」の作図(2023都立立川)

都立高校入試においては、毎年「作図問題」が出題されますね。 小学生の皆さんに伝えておくと、 「定規とコンパスのみで作図」 することを条件としているので、分度器は使えませんし、定規の目盛りも使えません。 よほど回りくどい方法でない限り、正しく作…

「差を求める」ということは…

「本日の12:34から12:56までは何分間?」 と問われたら、 「12:56という時刻と12:34という時刻の差」 を求めればいいので、 「56-34=22分」 と答えますよね。 では、 「本日の12:34から13:56までは何分間?」 と問われて、 「56-34=22分」 と答える人はいな…

ものごとの見方を変換できるか

難解なものごとに、何らかの規則性のようなものを発見できたとしたら、ブレイクスルーの予感がしますね。 しかし、AIの活用があたりまえの世の中になったら、そんなことは朝飯前というか“秒”ではじき出してしまうかもしれませんね。 今巷を賑わしているChatG…

大変な「イモ掘り」をさせるなら“カタルシス”を!

学校などの行事で「イモ掘り体験」に行ったのであれば、たとえ泥だらけになって苦労したとしても、必ず誰でもイモを掘り当てられるようになっているはずですね。 しかし、入学者を選別しなければならない入試においては、そのような甘いことを言ってはいられ…

整数の和と積(2023聖光学院中・改題)

規則性があるようないくつかの整数(数列)であれば、それらの和を簡単に求めることができます。 小学生でも、“差が一定”のいくつかの整数(等差数列)であれば、その「和」の求め方を原理から理解できているはずですね。 今回は、そこに「積」も絡めて理解…

「受験算数」で整数を扱う場合の“節度”

前々回においても触れたように、小学生の段階では「式の扱い方」についての未習部分が多いので、整数問題を解かせるのであれば、ある程度の“節度”をもった内容にしておく必要がありますね。 つまり、 「小学生でも使える効率的な解法が存在する」 か、 「ゴ…

「受験算数」における整数問題(2023フェリス女学院中/女子学院中・改題)

小学生が整数問題に取り組む際によく用いる手段が、ゴリゴリ書き出して求める“力業”です。 式の取り扱い方に未習部分が多いのでもっともな面もあるのですが、上位校の入試においてはそうも言ってられません。 ある程度は「整数の扱い方」に慣れておかないと…

正八角形(2023麻布中・改題)

正三角形・正方形・正六角形などの正多角形を題材とした問題には、数え切れないほど取り組んできていることと思います。 しかし、それらの図形の特徴は知れ渡っているので、様々な対処法も簡単に思い浮かべられる人も多いことでしょう。 そこで、 「“正五角…

“リケジョ”を羽ばたかせるには…(2023フェリス女学院中・改題)

一昔前では、ごくごく普通に「女子は数学が苦手なことが多いから…」と捉えられてきたように思いますが、こどもたちに教えてきた肌感覚からすると、むしろ逆の印象すらあります。 小中高生の時期は、女子の方が精神的成熟が早いことや、言われたことを忠実に…

「平面図形の面積」を求めさせる良問(2023渋幕中・改題)

今回も前々回と同様に「平面図形」の良問です。 実際の入試問題では、大問の中に、一見全く別の求積問題が2題併記されているようにもとれる設問となっています。 しかし、頭が一旦“別物”と捉えてしまうと、なかなか両設問の関係性に気づきにくくなってしまい…

「角度を求める問題」で“理詰め”の練習をしよう!(2023豊島岡女子中・改題)

この問題を一見して、 「どう解いていったらいいのか…」 とすぐに途方に暮れてしまうような場合は、 「わかることを一つずつ積み重ねていく」 ことで打開を図りましょう。 世の中の諸問題を、“理詰め”だけで解決することは不可能な場合が多いですが、数学の…

「平面図形の辺の比」を求めさせる良問(2023筑駒中・改題)

入試は毎年行われるものなので、その問題作成者は毎年頭を悩ませていることと思います。 とは言え、受験生にとっては入試の関門を突破できるか否かでその先数年の進路が決まってしまうので、適正な競争が行われるような内容の問題であってほしいと望むのも当…

平面図形2題(2023灘中・改題)

先日の中学入試問題から、平面図形の問題を2問取り上げてみましょう。 まずは小手調べに次の問題を、サッと解いてみましょう(手こずる人もいるかもしれませんが…)。 【問題-1】 AB=BC=5,CD=4,DA=2,∠C=∠D=90゜の四角形ABCDがある。 辺AB上にAE=1,BF=2となる…

「3桁の整数」をつくる問題(2023西大和学園中・改題)

新学期が始まる前のこの時期ならではの、誰でも取り組める問題をやってみましょう。 時間が無制限であれば誰でも解けるような問題は、“素早く正しく”解けないと及第点をあげることができません。 皆さんもそのつもりで、小学生たちがどのようにこの問題に取…

じゃんけんと確率

公平に人を選ぼうとする際に、正に運を天に任せるならば、あみだなどの「くじ引き」を行って決めるのが妥当でしょう。 しかし、何らかの準備が必要になってくることもあり、即時・簡便性の観点からよく用いる手段として「じゃんけん」がありますね。 但し、…

立方体の塗り分け(2022慶應義塾志木)

「多面体の塗り分け方」が色数・ルールによって何通りあるかを求める”定番中の定番”の問題です。取り組み方を一度じっくり理解してさえおけば、多少応用された出題がなされたとしても、落ち着いて対処できるはずです。くれぐれも、 「“パターン化して覚える”…

ちょっとオモシロイ「四捨五入」問題(2022青山学院・改題)

「四捨五入」を用いて解く問題は“受験算数”の定番でもあるので、得意な小学生もいることでしょう。小学生の場合は、“以下・以上”や“未満・より大きい”などを頭の中でテキパキと処理しながら解いていくことと思います。しかし中学生以上ならば、 「不等式を機…

基本的な指数法則の活用

ある大学入試問題なのですが、小学生でも解けるはずです。小学生ならばそのまま解いていってもいいのですが、中学生以上ならばある法則を用いて臨んだ方が扱う数が小さくなることもあって、ミスを防ぎやすくなると思います。それは「指数法則」です。その本…

0~9の整数のみの数列

西暦年数を用いた整数問題は、毎年いくつかの学校の入試で出題されていますね。中学入試だと「無理数」を用いることはできないので、例えば“2022”を用いたものだと次のようなものが定番問題ですね。 ◆「1~2022の整数を全て足すといくつになるか?」 ◆「1~2…