数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

整数の和と積(2023聖光学院中・改題)

規則性があるようないくつかの整数(数列)であれば、それらの和を簡単に求めることができます。
 
小学生でも、“差が一定”のいくつかの整数(等差数列)であれば、その「和」の求め方を原理から理解できているはずですね。
 
今回は、そこに「積」も絡めて理解を深めておきましょう。
 
 
【問題】
1~10の整数が書かれたカードがそれぞれ1枚ずつ計10枚ある。
このカードをA,Bの二人に5枚ずつ分ける。
(1)Aのカードの数の和がBのカードの数の和より15だけ大きくなるような分け方は全部で何通りあるか?
(2)Aのカードの数の積がBのカードの数の積の7倍となるような分け方は全部で何通りあるか?
 
 
【解説】
(1)
まず、
「1~10の整数の和」
は、
「(1+10)×10÷2=55」
となることから、
Aのカードの数の和=35,Bのカードの数の和=20」
とわかりますね。
 
よって、少ない方の
「Bのカードの数の和に着目」
して探していけば、
∴7通り
 
様々な列挙の方法がありますが、
「5つの中の最大数に着目」
していけば探しやすいでしょう。
(※「同じ数を含むような組み合わせ」をカウントしてしまうようなケアレスミスだけは避けましょう。)
 
 
(2)
まずは、
「1~10の全ての整数の積を素因数分解した形」
で求めてみましょう。
 
すると、
A=2^4×3^2×5×7
B=2^4×3^2×5
となることが見えてきますね。
 
つまり、
Aは7以外の4数の積が2^4×3^2×5
となればいいので、
「5を含む場合と10を含む場合」
に分けて慎重に列挙していけば求まります。
 
但し入試の場合は、時間制限がある中で
「いかに完答までもっていくか」
がポイントとなるでしょう(表などを用いて確実に数え上げていくのが無難でしょう)。
 
∴5通り