数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

平面幾何

図形どうしの面積の差

この時期は、なぞなぞのようなちょっとオモシロイ問題でリフレッシュしてみましょうか。 ある図形の面積を求めること自体は難しいものの、 「ある図形とある図形の面積の差」 であれば求めることが可能な場合があります。 例えば、 【問題】 正三角形ABCの辺…

補助線の引き方を練習する問題

数学の幾何問題を解く際の重要な一手ともなる「補助線」。 中には、「え~っ!そんなところに?」と文句をつけたくなるようなアクロバティックな補助線が必要な問題もありますが、大概の入試問題は、論理的に考えていけば引ける補助線で対応できるはずです。…

正五角形を題材としたオモシロイ角度問題

正五角形を題材とした出題の方向性は、高校入試レベルでは色々と考えられますが、「角度を求める問題」は定番の部類に入るでしょう。■ 中学入試問題で例えれば、今年(2024)の西大和学園中の問題あたりが妥当なところでしょう。■ しかしながら、今年の他の…

平行四辺形を題材とした“ちょいオモ”比問題

平行四辺形に様々な線分を交差させた上で比を求めさせるような問題は、受験生ならば飽きるほど取り組んできたことと思います。■ しかしながら、あまり見かけたことのないような“ちょっとオモシロイ”問題が、しかも公立校入試で出題されました。■ 実際の問題…

“山椒”のような小問集合

入試において「小問集合」といえば、確実に得点すべき問題として、合格へ向けては大切な関門でもありますね。■ かなりの難関校でない限りは、落ち着いて取り組んでいけさえすれば得点することができ、その後の大問を気持ちよく解いていくためのウォーミング…

六角形の辺の長さ

今回取り扱うものは、問題文は短く、条件を反映させた図形も頭の中で何となくイメージできるものの、まずは実際に「図を描く」という作業を行わないことには解くことが難しいであろう問題です。■ 入試問題などでは、余計な誤解を避けるためもあって、与条件…

正八角形(2023麻布中・改題)

正三角形・正方形・正六角形などの正多角形を題材とした問題には、数え切れないほど取り組んできていることと思います。 しかし、それらの図形の特徴は知れ渡っているので、様々な対処法も簡単に思い浮かべられる人も多いことでしょう。 そこで、 「“正五角…

「平面図形の面積」を求めさせる良問(2023渋幕中・改題)

今回も前々回と同様に「平面図形」の良問です。 実際の入試問題では、大問の中に、一見全く別の求積問題が2題併記されているようにもとれる設問となっています。 しかし、頭が一旦“別物”と捉えてしまうと、なかなか両設問の関係性に気づきにくくなってしまい…

「角度を求める問題」で“理詰め”の練習をしよう!(2023豊島岡女子中・改題)

この問題を一見して、 「どう解いていったらいいのか…」 とすぐに途方に暮れてしまうような場合は、 「わかることを一つずつ積み重ねていく」 ことで打開を図りましょう。 世の中の諸問題を、“理詰め”だけで解決することは不可能な場合が多いですが、数学の…

「平面図形の辺の比」を求めさせる良問(2023筑駒中・改題)

入試は毎年行われるものなので、その問題作成者は毎年頭を悩ませていることと思います。 とは言え、受験生にとっては入試の関門を突破できるか否かでその先数年の進路が決まってしまうので、適正な競争が行われるような内容の問題であってほしいと望むのも当…

平面図形2題(2023灘中・改題)

先日の中学入試問題から、平面図形の問題を2問取り上げてみましょう。 まずは小手調べに次の問題を、サッと解いてみましょう(手こずる人もいるかもしれませんが…)。 【問題-1】 AB=BC=5,CD=4,DA=2,∠C=∠D=90゜の四角形ABCDがある。 辺AB上にAE=1,BF=2となる…

2023神奈川県立入試【数学】について

最近の都立入試の易化に比して、神奈川県立の内容は、より思考・判断・計算力を要するものになっています。 今年は、問題中盤の問3で「解く時間を要する小問」が多く、これにペースを乱されずに取り組むことができたかが、一つのカギとなったことでしょう。 …

平行四辺形と相似

入試問題では、小問集合などで超定番の「平行四辺形問題」。 入試直前のこの時期、どんなパターンの問題であっても、その対処方法については多様に備えているはずですね。 ということで、その確認をしておきましょう。 【問題】 AB=9,AD=10の平行四辺形ABCD…

三角形の内部の1点と各頂点を結んだ設定の問題(2022久留米大附設・改題)

「PA+PB+PCが最小となるような△ABCの内部の点Pの位置を求めよ」 というような問題は、上位校を狙っている受験生ならば、どこかで解いたことがあると思います。 今回の問題は、そのような問題を彷彿とさせながらも、論理的な思考力を試されるようなオモシロイ…

“角の内部”における反射問題(2022國學院大学久我山・改題)

光が反射する際の性質(入射角=反射角)に基づいた「反射を伴う軌跡問題」も定番ですね。 そんな反射問題の中から、今回は 【角を形成する2つの半直線で囲まれた“角の内部”】 における軌跡を問うものです。 どのような場における反射であっても、その取り組…

面積を活用しよう!(2022東海)

図形の面積がわかれば、ある辺の長さや線分比や体積比を求められたりしますね。 特に、 「線分比~面積比~体積比の変換」 は大切で、一見難しそうな問題をアッという間に解いてしまうことも可能な場合があります。 これから入試へ向けて、様々な問題を通し…

直角三角形の“折り返し”

平面図形を“紙のようなもの”ととらえて折り紙のように折り返した設定の定番問題です。難関校をめざしている受験生の中には、どこかで取り組んだことがあるかもしれない、ある種の有名問題でもあります。 【∠A=90゜の直角三角形ABCの辺BC上に点Dをとる。 線分…

「都立青山」の入試問題(~2022)

2022年の都立青山の入試において、都立高校としては画期的な出題がありました。それは、 「答えが限定されていない」 というところです。「例を一つあげよ」という出題ならばよくありますが、いくつかの選択肢の中から正しい選択をした上で、そこからさらに…

正六角形の“折り返し”

いわゆる平面図形の“折り返し”問題とは、 「平面図形を紙のようなものと考えて“折り返す”などの条件設定を施した問題」 のことです。「正六角形の“折り返し”」 であれば、小学生でも解きやすいはずなので慣れておきましょう。 なお、 「平面図形を“折り返す”…

一見簡単そうな平面図形問題(2022西大和学園中)

その数によって学校を序列化してとらえることは、志望生にも在校生にも悪影響を与えてしまう可能性もあるのですが、“ある学力に秀でた生徒”がどのくらいいるかの指標とはなる“東大合格者数”。最近の西大和学園においては、その数がかなり増えていますね。当…

正六角形の中の三角形(2022麻布中)

今年の中学入試問題なのですが、中学生以上が解こうとしても、結局、小学生と同じ解き方で攻めるのが一番時間がかからない方法なのではないでしょうか。ということで、こどもから大人まであらゆる人が一緒に「よーいドン!」で競うことのできる良問でもある…

“30-60-90”三角形の辺の比(2022灘中)

トップレベルの中学入試問題となると、精神的にも余裕のあるときでないと、そもそも解いてみようという気さえおきないのが部外者の本音でしょう。これを、制限時間内に解かなければいけない中学受験生には、本当に頭が下がります。条件設定が短文の問題なら…

動点と固定点との距離(2021都立産業技術高専)

“動点問題”では、 「設定される条件の意味すること」 を読み取り、 「動点が常にどのような位置にあるのか」 を的確に把握することが第一歩となります。そこから地道に計算して解いていく場合もあれば、アッという間に解けてしまう場合もありますね。中でも…

線分の軌跡(2021久留米大附設)

前回は、 「動点の軌跡そのもの」 を考える問題でしたが、今回は 「点が動くことに伴う“線分の軌跡(平面における)”」 を考える問題です。どちらも、上位校においては定番問題でもあるので、取り組み方をしっかり再確認しておきましょう。 【問題】 1辺4の…

点の軌跡(2021学大附属・改題)

新年の一発目は、上位校でよく出題される“軌跡問題”でいきましょう。実際の入試においては、誘導設問がいくつかあった後の最後の設問なのですが、これくらいのレベルの内容について、とりあえずば時間を無視してとことん考えてみましょう。そうすることで、…

1つの頂点を共有する2つの正三角形(2021灘)

前回の問題のように、 「1つの頂点を共有する2つ(以上)の正多角形」 を題材とした幾何問題は定番ですね。まずは、 「合同・相似な図形を見つける」 ことが足がかりとなりましたね。 【問題】△ABC,△ADEは正三角形である。 点Dは辺BC上にあり、BD>CDである。 …

過去問集の“模範解答”を鵜呑みにしてはいけない!

受験生の皆さんは、志望校の過去問集を用いて勉強する機会が増えてきていることと思います。最後の仕上げに向けて大切な教材でもあるので、もしもその内容に信用が置けないとなれば、一大事ですね。 過去問集を出版する際には、出版社サイドがその内容を十分…

平面幾何の基本を蔑ろにしていませんか?(2021青山学院)

塾などで発展内容の先取り学習を行っていると、そのおかげで学校の問題がスラスラ解けてしまうこともあって、 “テクニックを使うことのみ” に走ってしまう生徒が出てくることがあります。なにごとも、 「まずは原理をしっかり理解する」 ことこそが重要であ…

ちょっとオモシロイ「平行四辺形と線分比」問題

平行四辺形を土台とした「線分比問題」は定番中の定番ですね。今回は、定番問題のように「具体的な線分の長さ」が与えられる訳ではないので、手が止まってしまう人もいるかもしれません。惑わされずに解いてみましょう。 【問題】 平行四辺形ABCDの対角線BD…

「多角形の周上の点」と確率(2021お茶の水女子大附属/中大杉並)

「多角形の周上の点」と「確率」を絡めた問題は、入試においては定番ですね。 例えば、【問題-1】 正三角形ABCの辺AB,BC,CAの中点をそれぞれD,E,Fとする。 また、袋の中にA,B,C,D,E,Fの文字が1つずつ書かれた6個の球が入っており、ここから同時に3個の球を取…