数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

2020-01-01から1年間の記事一覧

“2021”西暦年数問題

年の瀬ですので、入試対策として、 「“来年の西暦年数”問題」 について、ちょっと予想してみましょう。 まず、受験生であるならば、 「2021=43×47」 と素因数分解できることは既にチェック済みだと思います。 そこで、例えば、 【2021=43x+47y】 という不定…

“2回”折り返し問題

平面図形を 「“紙”のようなものと捉えて折り返す」 という設定の定番問題です。これまでにも何度も取り上げていますが、今回は、 「“2回”折り返す」 パターンでいきましょう。 【問題】左図のように、長方形ABCDの紙を線分EFを折り目として折ると、点Bが線分…

正三角形に内接する正方形

ごくごくノーマルな問題ですが、解く方針を見極めたら、短時間に正しく計算しきれるかを試してみましょう。 【問題】 図のように、正三角形の中に大小2つの正方形が接している。 小さな正方形の1辺の長さが√3のとき、正三角形から大小2つの正方形を除いた部…

内接する2円と接線(2020富山県立)

今回の問題も今年の入試問題なのですが、これまた“面倒な解説”ばかりが巷に目につくので取り上げることにします。色々な補助線が引けるので、そういう意味では、受験生を引っ掛けやすい問題と言えるかもしれません。“難問”と評する解説もあるようですが、冷…

三角形の外接円の面積(2020奈良県立)

受験生であれば、この時期には、 「各種三角形の内・外接円の半径」 の求め方はマスターしていることと思います。これからの時期は、 「その方法を愚直に用いるべきか否か」 を、しっかり吟味してから取り組むようにしましょう。言うまでもなく、入試におい…

ちょっとオモシロイ「円と相似」問題(2020千葉県立)

「問題文において与えられる条件」というものは、それが全て満たされることによって初めて「求めるものが限定」されるように設定されるべきでしょう。今回の千葉県立の問題は、「一般公立入試問題」ということもあって平易な内容にするためか、“余計な条件”…

回転体の体積の求め方-2(2020山梨県立)

「過去問集の模範解答」に、やたらと面倒な解き方が示してあったので、取り上げてみました。「回転体の体積」を求める問題では、確かに面倒な解き方しかない場合もありますが、工夫すればそれほどでもないことが多いので、しっかり練習しておきましょう。※以…

サクッとできればOK!(「ひし形と角度」編)

パズルのような問題ですが、“サクッと解くことができるか”がポイントです。方程式を“こねくり回して”解けたとしても、それは当たり前です。小学生の方が得意かもしれませんね。 【問題】ひし形ABCDの辺AB上に点Eをとると、 「∠A:∠B:∠CED=11:4:5」 という角度…

ちょっとオモシロイ「正五角形」問題(2018学大附属・改題)

難関校をめざすのであれば、「正五角形」をしっかり勉強しておくことは必須でしたね。今回は、その基礎知識を用いて解いていく「正五角形の回転」問題です。但し、前回指摘したタイプではなく、 「回転の中心が重心ではない」 ところがミソです。2021年の入…

2つの立体の共通部分(2020筑駒)

2020年の筑駒の入試問題では、その他の問題は解いた上で、 「大問[2],[3],[4]の最後の小問」 のうち1つでも答えられたならば、「数学」においては最善を尽くしたことになるでしょう。では、どの問題に力を傾注すべきだったか。それは、「[4]の立体問題」でし…

曲面上の最短距離と六面体の求積(2020桐朋)

いわゆる“円錐のひもかけ”をもとにして、六面体の体積を求める問題です。“ひもかけ”の方は問題ないとしても、 「六面体の体積をいかに求めるか」 で解く時間に差が出てくるでしょう。実際の入試では誘導設問がありますが、今回は「なし」で解ききる練習をし…

立方体に内接する大小の球(2020豊島岡女子)

「球」を題材とした定番設定の問題です。このような問題を通して、「立体相互の関係」をしっかり把握しておくと、応用問題にも対応できるようになるでしょう。小学生は、この問題を解くことはできないものの、 「大小の球と立方体がどのような位置関係にある…

正三角錐の切断(2020開成)

「正三角錐」 という呼称はあまり使いませんが、前回の 「正四角錐」 と対比するために用いました。要は、 「三角錐(or四面体)」 の上級レベルの切断(or体積比)問題です。実際の入試においては、全てを解ききるのは時間的に厳しかったでしょう。しかし、難関…

正四角錐の切断(2020慶應女子)

「柱体の切断」 については、様々な問題で取り組んできていると思いますが、 「錐体の切断」 についても、“標準レベル”までは理解しておきましょう。 「正八面体の切断(2020ラ・サール/改題)」 https://mcafejr.hatenablog.com/entry/2020/11/08/171740 の…

2元2次の不定方程式(2020筑附・改題)

「問題文を元に方程式を立てる」 という定番の流れで解いていけばいいのですが、立てた不定方程式が“定番の形”とはならないタイプの整数問題です。とは言っても、 「整数問題への基本的な取り組み方」 がわかっていれば、特段難しい訳ではありませんね。 【…

立体の見取り図

絵を描くことに苦手意識を持っている場合、 「立体の見取り図」 を問題の与条件通りに描けず、苦労している人もいるかもしれません。一般的には、やや見下ろした視点からの 「立体の正射影」 を元に描くと、“それらしく”見えます。奥行きや高さが大きいもの…

シルエットが正六角形

このブログで何度も伝えてきましたが、 「正多面体に慣れ親しんでおく」 と、立体問題を解く際に大いに役立ちます。例えば、前回の問題を解く際にポイントにもなったのが、 「正八面体のシルエット」 でした。正確に表現すると、 「正八面体の面に平行な平面…

正八面体の切断(2020ラ・サール/改題)

これまで何度も伝えてきた通り、 「その性質をしっかり把握」 してさえいれば、 「正八面体は扱いやすい正多面体」 でしたね。実際の入試問題を用いて、その確認をしておきましょう。 【問題】1辺12の正八面体ABCDEFがある。 辺AB,ACの中点をそれぞれP,Qとし…

ちょっとオモシロイ「円と放物線」問題(2020近大附属・改題)

「円と放物線」を絡めた定番問題も様々ありますが、今回はちょっと変わった趣向の問題です。 【問題】図のように、放物線のグラフ上の点A(1,1)と原点Oを通る直線をlとする。 点Aを通り直線lに垂直な直線mと放物線との交点のうち、A以外の点をBとする。 点Bを…

ちょっとオモシロイ「長方形の面積比」問題(2020ラ・サール)

一見、 「長さに関する設定が何もない」 ように思えてしまうところが、この問題のちょっとオモシロイところです。 【問題】上図のように、長方形ABCDの各辺を直径とする半円を描き、その交点を結んで長方形EFGHをつくる。 このとき、長方形EFGHは長方形ABCD…

“2021”を用いた整数問題(初級編)

来年の西暦年数に絡めた整数問題をやってみましょう。入試における「小問集合」などで出題されるタイプの、基本的な練習問題です。 【問題】 整数N=2021-√(237m)の絶対値が最小となるときのNの値を求めよ。 但し、mは自然数とする。 【解説】 受験生は既にチ…

三角形の外接円の捉え方(2020大阪星光学院)

中3課程の「円に関する知識」があるならば、定番問題となります。但し、余計な遠回りだけは避けましょう。 【問題】1辺10の正方形ABCDの辺BC上にEC=2となる点Eをとり、対角線AC上にFB=FEとなる点Fをとる。 このとき、△CEFの外接円の半径を求めよ。 【解説】 …

気づけるような“回路”を形成・定着させよう!

入試問題においては、 「正しく解く」 のが第一目標ではありますが、 「解く時間をいかに短くするか」 も、合格へ向けては大切な要素になってきますね。受験直前までの追い込み時期に、ある程度の演習量をこなしておくと、 「対処法としての“思考回路”」 を…

「異なる4点」を直線で結んでみると・・

「異なる4点」が同一平面上にある場合、その4点を直線で結んでみると、どのような図形が形成されるでしょうか。「1つの線分、三角形、四角形」 が考えられますが、当然ながら“立体”は形成されませんね。では、 「同一平面上にはない異なる4点」 を直線で結ぶ…

「全て求めよ」(2020埼玉県立・改題)

このような文言で締めくくられた設問の場合、大抵は、 「答えが複数あるな」 という予測をすると思います。しかし、時には、 「答えは一つのみ」 であるにもかかわらず、“引っ掛け”てくることもあり得ますので、一応注意しておきましょう。さて、今回の問題…

放物線と角の二等分線

「関数のグラフと幾何」の典型的な融合問題の一つです。「関数」をまだ習っていなかったとしても、関数の基本がわかっていれば解けるはずです。 (※上記の関数のグラフは“放物線”と呼ばれる曲線となります。) 【問題】関数のグラフ上に2点A,Bがあり、点A(4,…

「比」だけで解いてみよう!(2020福井県立・改題)

「三平方」を使わずに解くことができる問題なので、小学生でも対応できるはずです。但し、 「“図の感じ”から何となく直感で解いて“たまたま”正解だった」 というようなことがないか、注意しましょう。論理的に裏打ちされた理由に基づいて正答を導いていない…

正四角錐の外接球

「多面体の外接球」 とは、一般的には、 「多面体の全ての頂点と接する球」 と捉えるのが普通ですが、一応語義としては、 「多面体の外部に接する球」 という意味でしかないので、中には、 「部分的に外接する球」 のような設定の場合もあり得るので、与条件…

ちょっとオモシロイ円問題(2020都立立川・改題)

これも、「円」を題材とした総合問題ですが、設定がちょっとオモシロイのでやっておきましょう。小学生は、この設問に答えることはできませんが、 「この条件設定からわかること」 をできるだけ挙げてみましょう。例えば、 ・円の中心はどこになるか? ・相…

2020都立国立/数学 概観

来年の入試では、 「三平方が出題範囲から除外」 されるので、同校お得意の 「比の複合問題」 にさらに磨きがかかるのではないでしょうか。「点光源による立体の影」 などの問題は、練習しておいた方がいいかもしれません。 【1】(小問集合) 確実に全問正…