数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

正四角錐の切断(2020慶應女子)

「柱体の切断」
については、様々な問題で取り組んできていると思いますが、
「錐体の切断」
についても、“標準レベル”までは理解しておきましょう。
 
「正八面体の切断(2020ラ・サール/改題)」
のところでも若干触れましたが、
「四角錐部分で切断が完結」
するような設問に対する備えは必須だからです。
 
 
例えば、
慶應女子(2020)
では、次のような問題が出題されています。
 
 
【問題】
 

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全ての辺の長さが8の正四角錐O-ABCDがある。
辺OA,OB,OC上にそれぞれ点P,Q,Rをとり、OP=3,OQ=4,OR=6とする。
3点P,Q,Rを通る平面と辺ODとの交点をSとするとき、線分OSの長さを求めよ。
 
 
実際に解いてみればわかりますが、この設定だと、簡単に「OS=4」と求まってしまいます。
 
しかし、初めて「正四角錐の切断」の原理を勉強する場合は、いい題材となるでしょう。
 
 
※【略解】
「正方形ABCDの対角線の交点をE」
とすると、
「全ての辺の長さが等しい正四角錐O-ABCD」
であるので、
「直線PRと直線QSは直線OE上の1点(F)で交わる」
ことがわかります。
 
これより、
「点Fが線分OEの中点」
とわかるので、
「点Sも辺ODの中点」
∴OS=4
(※小学生でも「比」だけで求められますね。)
 
 
難関校をめざすのであれば、例えば、
「OP=3,OQ=4,OR=5」
というような設定でも、OSの長さを求められるようにしておきましょう。