これまで何度も伝えてきた通り、
「その性質をしっかり把握」
してさえいれば、
「正八面体は扱いやすい正多面体」
でしたね。
実際の入試問題を用いて、その確認をしておきましょう。
【問題】
1辺12の正八面体ABCDEFがある。
辺AB,ACの中点をそれぞれP,Qとし、辺FD,FEを5:1に内分する点をそれぞれR,Sとする。
このとき、4点P,Q,R,Sを通る平面による、正八面体の切断面の面積を求めよ。
(答え;38√6)
【解説】
「正八面体の切断問題」
においては、応用問題であっても、
「切断面の辺が正八面体の辺と平行」
になるパターンまででしょう。
(※「四角錐部分で切断が完結」する場合を除く。)
今回も正にそのパターンで、切断面が
「“台形2つ”で形成された六角形」
であることは、容易に想像がついたと思います。
上底・下底はすぐに求まるので、
「高さがどうなるか」
がポイントですね。
そこで、
「線分PQ,RSの中点をそれぞれT,U」
として、
「点A,F,T,Uを通る切断面」
で考えてみましょう。
すると、下図のように、
「4点P,Q,R,Sを通る切断面は面ABC,DEFに直交」
することがわかります。
つまり“平行面間の距離”に相当することから、
「線分TUの長さは4√6」
と簡単に求まりますね。
∴(12+6)×3√6×1/2+(12+10)×√6×1/2=38√6