数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

2022-01-01から1年間の記事一覧

半円弧上の2点と相似(2022都立国分寺・改題)

受験生であれば、「円と相似」に関する多くの練習問題に取り組んできていると思います。 定番中の定番の問題なので、かなり慣れてきているはずですので、次の問題をサクッと解けるか試してみましょう。 時間がかかってしまうのであれば、特に上位校を狙って…

斜角錐の体積(2022久留米大附設・改題)

以前にも扱った通り、斜角錐であっても、 「底面積とそれに対する高さ」 がわかれば、簡単に体積を求めることができますね。 しかし、実際の入試問題では、その“高さ”が求めにくい設定になっていることが多く、体積比などを用いて対処するのが得策となるでし…

正八面体の二等分(2022慶應志木・改題)

以前から、 「正八面体は取り組みやすい正多面体」 であることを伝えてきました。 入試問題の題材とされることも多いので、しっかりその性質を把握しておくことが欠かせません。 特に受験生の場合は、その準備ができているかを確認しておきましょう。 サクッ…

三角形の内部の1点と各頂点を結んだ設定の問題(2022久留米大附設・改題)

「PA+PB+PCが最小となるような△ABCの内部の点Pの位置を求めよ」 というような問題は、上位校を狙っている受験生ならば、どこかで解いたことがあると思います。 今回の問題は、そのような問題を彷彿とさせながらも、論理的な思考力を試されるようなオモシロイ…

簡単な問題文をしっかり読み込もう!(2022三重県立・改題)

数学の問題で、ダラダラと長い条件説明がなされている場合、はっきり言ってあまりやる気が起きない人の方が多いでしょう。 ましてや“悪文”であったならば、問題作成者(入試問題であったならばその学校の数学指導自体)の質を疑いながら、捨ててしまいたい気…

競技によって異なる「ラインの内外」をめぐる規定

最近様々なスポーツ競技において、日本代表の活躍が華々しいこともあり、“にわかファン”もかなり増えてきていることでしょう。 きっかけはともあれ、そこから本格的なファンになって、各スポーツ競技を支えていってほしいと思います。 何らかの競技を行う場…

合同式に慣れておこう!(2022大阪星光学院)

高校入試においては、当然“合同式”を用いなくても解けるような問題になっているはずです。 しかし、特に上位校の入試においては、時間との勝負も大切な要素となってくるので、これからの時期は“解くスピード”にも留意しながら訓練していく必要があります。 …

半円弧を等分する点(2022市川・改題)

設定としては、前回の「円周を等分する点」の派生バージョンですが、別の分野の平面幾何問題となっています。 あまり見慣れない出題であるが故に、受験生の思考力を刺激するちょっとオモシロイ問題となっています。 【問題】 線分ABを直径とする半円があり、…

円周を等分する点(2022西大和学園・改題)

円周を等分する点を直線で結んでいくとどのような図形ができるか、任意の2点の間の円弧に対する円周角の大きさがどうなるか、いずれも受験生にとっては基本事項ですね。 それらの基本知識を元にして解く平面図形問題も、入試では定番です。 今回の問題は、実…

各桁の数字が全て異なる3桁の自然数(2022関西学院)

「3桁の自然数」は、“小さすぎず大きすぎない”ちょうど良い大きさの自然数のため、整数問題の題材となることが多いですね。 その中で、「各桁の数字が全て異なる」ものが何通りあるかも、簡単に求められると思います。 今回は、さらに条件を付加した形の問題…

“スポーツクライミング複合”を題材とした入試問題(2022兵庫県立・改題)

東京五輪2020において初めて採用された種目である“スポーツクライミング複合”。 その順位の決め方が、ちょっとオモシロイ数学の問題の題材になりそうだったので、昨年投稿しました。 【「順位の決め方」がちょっとオモシロイ“スポーツクライミング複合”】 ht…

一度は解いておいた方が良い“ひもかけ”問題(2022茨城県立・改題)

立体の表面上に、その長さが最短となるようにひもをかける設定で出題される“ひもかけ”問題。 定番問題の一つでもあるので、解いたことがある受験生も多いことでしょう。 ただ、どんな設定であってもその取り組み方は変わらないので、特に数学が得意な人ほど…

公立校のちょっとオモシロイ整数問題(2022大阪府立)

公立高校の入試において出題される整数問題は、私立(または国立)の難関校のような発展問題までは出題されず、典型的な出題形式の標準レベルの問題がほとんどです。 ですから、入試当日に焦ってしまうような事態が起こることは稀でしょう。 もっとも、都立…

サイコロと平方根(2022北海道立)

「サイコロの目の数」と「平方根」とを絡めた定番中の定番問題であるだけに、気を抜いてミスを犯してしまうことがないように注意しましょう。 また、実際に解いてみる際は、短時間で解ききる負荷を与えて臨むことが大切です。 【問題】 大小つのサイコロを同…

正四角錘の切断/応用編(2022大阪星光・改題)

「錘体の切断」問題では定番の題材である正四角錘。 その多くは“瞬殺”できるような切断設定で出題されますが、上位校を狙う場合は、少しは考えさせるパターンの設定のものも解いておきましょう。 要は、 「相似をいかに用いて解くか」 であり、その方法は色…

直角錐と斜角錐

“斜角錐”というと小難しく聞こえるかもしれませんが、例えば「直方体ABCD-EFGHを切断してできる三角錐A-EFH」がそれに該当しますね。 (※“立方体”ABCD-EFGHならば三角錐A-EFHは“直角錘”ともなりますね。) 要は、 「底面の重心の真上に頂点があるかないか」 …

「2つの定義域で値域が一致する」問題(2022近大附属)

ある定義域(xの変域)で、 「“異なる2つの1次関数”または“1次関数と2次関数”の値域(yの変域)が一致する」 設定の問題は、よく見かけると思います。 今回は、 「2次関数において2つの定義域における値域が一致する」 という、高校入試の段階においてはちょ…

直線と線分が交点をもつ確率

「サイコロの目と直線のグラフ」とを絡めた定番とも言える出題形式ですが、ちょっとオモシロイ内容になっています。 この類の問題は、計算でパッと答えが出るものではないので、 「いかにミスなく短時間に解ききるか」 をテーマとして練習しておきましょう。…

過去問集の良くない“模範解答”の一例(2022宮城県立[4])

これまで、幾度となく 「過去問集の“模範解答”を鵜呑みにしないように!」 と警鐘を鳴らしてきました。 もちろん、大半は真っ当な解説ではあるのですが、中には「ん?」と感じる内容の解説が、さも当然のような顔をして“模範解答”として過去問集などに記され…

“角の内部”における反射問題(2022國學院大学久我山・改題)

光が反射する際の性質(入射角=反射角)に基づいた「反射を伴う軌跡問題」も定番ですね。 そんな反射問題の中から、今回は 【角を形成する2つの半直線で囲まれた“角の内部”】 における軌跡を問うものです。 どのような場における反射であっても、その取り組…

面積を活用しよう!(2022東海)

図形の面積がわかれば、ある辺の長さや線分比や体積比を求められたりしますね。 特に、 「線分比~面積比~体積比の変換」 は大切で、一見難しそうな問題をアッという間に解いてしまうことも可能な場合があります。 これから入試へ向けて、様々な問題を通し…

おうぎ形に等分された円の塗り分け(2022大阪星光学院・改題)

以前、 【“差別化されていない”立体の面の塗り分け問題】 を扱いましたが、今回は 【“差別化されている”平面の塗り分け問題】 です。 「しっかり理詰めで攻めきれるか」 のいい練習となるでしょう。 もし攻めきれなかった場合は、ケアレスミスと簡単に片付け…

じゃんけんと確率

公平に人を選ぼうとする際に、正に運を天に任せるならば、あみだなどの「くじ引き」を行って決めるのが妥当でしょう。 しかし、何らかの準備が必要になってくることもあり、即時・簡便性の観点からよく用いる手段として「じゃんけん」がありますね。 但し、…

斜角柱の切断(2022灘)

基本的な立体の切断問題であれば、「解き進め方」を覚えることだけでも対処できてしまうでしょうが、今回のような問題だと戸惑うことも多いかもしれません。 しかし、立体切断の原理をしっかり理解してさえいれば、やるべきことを一つずつ積み上げていくこと…

“整数・小数部分”問題(2022灘)

一度でも解いた経験があれば、試験本番で焦らずに対処できるであろう問題です。 実数であれ有理数であれ「数」というものは、たとえその値の範囲が有限に設定されたとしても、“無数”に存在しますね。 しかし、「整数」という条件が付加されると“有限個”に絞…

立方体の塗り分け(2022慶應義塾志木)

「多面体の塗り分け方」が色数・ルールによって何通りあるかを求める”定番中の定番”の問題です。取り組み方を一度じっくり理解してさえおけば、多少応用された出題がなされたとしても、落ち着いて対処できるはずです。くれぐれも、 「“パターン化して覚える”…

直角三角形の“折り返し”

平面図形を“紙のようなもの”ととらえて折り紙のように折り返した設定の定番問題です。難関校をめざしている受験生の中には、どこかで取り組んだことがあるかもしれない、ある種の有名問題でもあります。 【∠A=90゜の直角三角形ABCの辺BC上に点Dをとる。 線分…

ちょっとオモシロイ「四捨五入」問題(2022青山学院・改題)

「四捨五入」を用いて解く問題は“受験算数”の定番でもあるので、得意な小学生もいることでしょう。小学生の場合は、“以下・以上”や“未満・より大きい”などを頭の中でテキパキと処理しながら解いていくことと思います。しかし中学生以上ならば、 「不等式を機…

係数や解が“厄介な値”の方程式(2022城北)

次のような方程式の問題を、皆さんだったらどのように解いていくでしょうか。 【問題】 xの2次方程式 の解の1つが、 であるとき、aの値と、もう1つの解を求めよ。 ある“模範解答”では、 「解の値を方程式に代入してaの値」 を求め、 「解の公式からもう1つの…

“強面?”の因数分解(2022中央大学杉並)

一見しただけだと、嫌がる人もいるであろう因数分解の問題です。「但し書き」がなければ正にその通りで、7桁の整数を“開平”(高校課程の内容)しなければなりませんね。しかし、意味ありげな但し書きがわざわざ添付されているので、これを使うのであろうこと…