数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

“整数・小数部分”問題(2022灘)

一度でも解いた経験があれば、試験本番で焦らずに対処できるであろう問題です。
 
 
実数であれ有理数であれ「数」というものは、たとえその値の範囲が有限に設定されたとしても、“無数”に存在しますね。
 
しかし、「整数」という条件が付加されると“有限個”に絞られるんでしたね。
 
そこさえしっかり押さえておけば、対処法は見えてくるはずです。
 
 
【問題】
正の数xを
「x=n+a (n;0以上の整数, 0≦a<1)」
と表すとする。
(1)x^2+a^2=8のとき、n,xの値を求めよ。
(2)x^2+a^2=19/2のとき、xの値を求めよ。
 
 
言い換えれば、
「xの整数部分がnで小数部分がa」
ということですね。
 
まず(1)で取り組み方を暗示してくれており、良心的な出題です。
 
 
※なお、西大和学園(2022)では、
「正の数xの小数部分をaとする。
x^2+a^2=44
のとき、xの値を求めよ。」
という出題もありました。
 
 
【解説】
ポイントは、
0≦a^2<1」
から、nの値が絞り込めるところですね。
 
(1)
つまり、
0≦8-x^2<1」
から、
7<x^2≦8
となるので、
「xの整数部分は2(=n)」
と絞り込めますね。
 
よって、
(2+a)^2+a^2=8
を解いて、
「a=√3-1(≧0)」
と求まるので、
∴x=√3+1
 
(2)
同様にして、
8.5<x^2≦9.5
から、
「n=2,3」
と絞り込めるので、
∴x=(2+√15)/2,(3+√10)/2
 
 
西大和学園の方はx=3+√13