数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

斜角柱の切断(2022灘)

基本的な立体の切断問題であれば、「解き進め方」を覚えることだけでも対処できてしまうでしょうが、今回のような問題だと戸惑うことも多いかもしれません。
 
しかし、立体切断の原理をしっかり理解してさえいれば、やるべきことを一つずつ積み上げていくことで対処できるはずです。
 
「見取り図を描くのが苦手だから…」
を言い訳にしている人こそ、しっかり原理を理解することこそが大切で、見取り図が描けなくとも解き進めることは十分に可能です。
 
長丁場の難関校の入試問題であることもあり、ある程度の時間がかかることは当然なので、この類の問題が初めての場合は、まずはじっくりとことん取り組んでみることが大切です。
 
 
【問題】
2022灘の大問[5]
(「立方体内部の斜角柱」の「切断面の面積」と「切断された多面体の体積」を求める)
 
 
【解説】
まず、
「切断平面が立方体の底面に垂直」
であることが、最初のとっかかりとなりますね。
 
それを利用して、
「切断面(多角形)の頂点の位置」
がどこにあるのかの検討をします。
 
そのためには、
「立方体を真上から見た投影図」
で考えれば把握しやすいはずです。
(※単純な相似を用いるだけですね)
 
次に、斜角柱の側面を単体で扱おうとすると混乱を招きかねないので、
「その側面を含む平面全体」
で考えれば、切断された多面体の形状が見えてきやすくなります。
(※見取り図を描くのが苦手な人はここがポイントとなります)
 
一見扱いにくそうな五面体が、
「単純な三角錐の一部」
であることが見えてくるはずです。