公平に人を選ぼうとする際に、正に運を天に任せるならば、あみだなどの「くじ引き」を行って決めるのが妥当でしょう。
しかし、何らかの準備が必要になってくることもあり、即時・簡便性の観点からよく用いる手段として「じゃんけん」がありますね。
但し、癖を読み取ることや心理誘導に長けている人の優位性が増してくる側面もあるので、公平性という観点からは若干難があるとも言えます。
とは言え、
“誰の勝ち負けの確率も理論的には同じ”
なので日常でよく用いられる訳ですね。
例えば、
【A,Bの2人でじゃんけんを行う場合】
で考えてみましょう。
「全パターンは3×3=9通り」
あり、
「Aが勝つ場合は3通り」、
「Bが勝つ(Aが負ける)場合は3通り」
なので、どちらの確率も
「1/3」
と同じになりますね。
となると、
「あいこになる確率は1-1/3-1/3=1/3」
となることがわかります。
では、
【A,B,Cの3人でじゃんけんを行う場合】
で考えてみましょう。
「全パターンは3×3×3=27通り」
となることはわかると思いますが、
「Aが勝つ場合」
は何通りあるでしょうか?
「3通り」
と答えているようではいけませんね。
「Aだけが勝つ場合(3通り)」
と、
「Aを含めて2人が勝つ場合(6通り)」
の2パターンありますね。
よって、
「Aが勝つ確率は9/27=1/3」
となります。
同様にして、
「B,Cが勝つ確率もそれぞれ1/3」
と同じになりますね。
ここで、
「あいこになる確率は1-1/3-1/3-1/3=0?」
なんて言わないようにしましょうね。
【2人のじゃんけん】の場合は、
「Aが勝つ場合」、
「Bが勝つ場合」、
「あいこになる場合」
の互いに重複しない(排反である)3パターンしかなかったので、
「あいこになる確率は1-1/3-1/3=1/3」
と求められたんですね。
【3人のじゃんけん】の場合は、
「Aが勝つ場合とBが勝つ場合が重複」
したり、
「Aが勝つ場合とCが勝つ場合が重複」
したりするので、2人の場合のようには求めることができません。
では、どうやって「あいこになる確率」を求めればいいでしょうか?
単純に「あいこになる場合」を想定して考えていけばいいですね。
つまり、
「3人が同じ手の場合(3通り)」
か、
「3人が全て違う手の場合(6通り)」
の2パターンありますね。
よって、
「あいこになる確率は9/27=1/3」
となります。
と、ここまで
【2人、3人のじゃんけんであいことなる確率】
をみてきて、
「じゃんけんは“勝ち/負け/あいこ”の3パターンしかないから何人でやってもあいこになる確率は1/3ね!」
と変な合点をしていないでしょうね?
何か狐につままれた気分の人は、
「4人のじゃんけんであいこになる確率の理論値」
を求めてみましょう。
とにかく、じゃんけんは何人でやったとしても、純粋な理論値としては、
「誰が勝つ(負ける)確率も同じ」
となりますね。