数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

2021-01-01から1年間の記事一覧

不定方程式の整数解が存在するための条件(2021広島大附・改題)

ごくごく一般的な不定方程式の問題ですが、出題方法がちょっとだけ変わっているので、一応やっておきましょう。 【問題】 xを整数とし、「xに1を加えた数」と「xからmを引いた数」の積をnとする。 (1)n=10のとき、xが存在するような自然数mの値を全て求めよ…

“理屈っぽいパパ(orママ)”に反撃!?

いつも理屈っぽく正論をふりかざすパパ(ママ?)にちょっとウンザリしているならば、ガス抜きがてらにたまには反撃してみたいですね。ただ、 “筋金入りの緻密な理屈が得意なタイプ” には通じない可能性が高いので留意しておきましょう。ターゲットは、年長者と…

2つの玉がとなりあう確率(2021青雲)

確率問題は、計算だけで解けるのであれば、それに越したことはありませんね。しかし、そのせいで間違った答えを出してしまっては、元も子もありません。時間がかかりそうでも着実に樹形図で考えるべきか、計算式だけで押し切ってしまうべきか、しっかり見極…

“変形サイコロ”問題

サイコロといえば「立方体」であることが普通ですが、他の正多面体を用いたサイコロ問題もありますね。焦っていたり、「簡単!簡単!」となめてかかっているときなどに、いつの間にか惰性で「6面ある」前提で計算してしまうこともあり得ますので、特に受験生…

1つの頂点を共有する2つの正三角形(2021灘)

前回の問題のように、 「1つの頂点を共有する2つ(以上)の正多角形」 を題材とした幾何問題は定番ですね。まずは、 「合同・相似な図形を見つける」 ことが足がかりとなりましたね。 【問題】△ABC,△ADEは正三角形である。 点Dは辺BC上にあり、BD>CDである。 …

過去問集の“模範解答”を鵜呑みにしてはいけない!

受験生の皆さんは、志望校の過去問集を用いて勉強する機会が増えてきていることと思います。最後の仕上げに向けて大切な教材でもあるので、もしもその内容に信用が置けないとなれば、一大事ですね。 過去問集を出版する際には、出版社サイドがその内容を十分…

“少なくとも1つ”or“1つもなくても可”

以前にも取り上げましたが、知っているといないとでは、解く時間に明らかな差が出てしまうタイプの問題なので、改めてやっておきましょう。 【問題】 バニラ、チョコレート、ストロベリーの3種類のアイスクリームを合わせて10個買う場合、買い方は何通りある…

1-digit number

あるブログで、お子さんが学校で下記のような問題を出されたと投稿されていました。インターに通う小学生らしいので英文の問題です。そもそも単語の意味がわからないと取り組みようがないでしょうが、このくらいの短文ならば自分で調べて考えましょう。ただ…

G.C.D.の和(2021大阪星光・改題)

前回はちょっと頭を使ったかもしれないので、今回はこどもから大人まで一緒に考えられるような“コーヒーブレイク”の問題でいきましょう。 2つの数a,bの最大公約数を、 「g(a,b)」 と表すことにしましょう。例えば、 「g(3,9)=3,g(6,16)=2」 ということです。…

「数列と西暦年数“2021,2022”」問題

数の並べ方としてはよくある設定なので、そう難しくはないはずです。そこに、やや大きな数である 「西暦年数“2021,2022”」 を絡めてみましょう。 【問題-1】 1段目は、(1) 2段目は、(2,3,4) 3段目は、(5,6,7,8,9) 4段目は、(10,11,12,13,14,15,16) …上記のよ…

「2桁の整数の倍数」となる確率(2021ラ・サール)

「2~11の倍数判定法」については、皆さんもしっかり把握していることと思います。判定法を覚えてさえいれば、「2~11の倍数」に関する問題については難なく対応できますね。そこで、以前にも扱いましたが、「2桁の整数の倍数」に関する問題への対応方法を再…

4桁の自然数の「除数」と「剰余」(2021國學院久我山・改題)

「除数」や「剰余」に関する問題においては、“合同式”を用いると楽でしたね。全員がマスターすべきものではありませんが、上位校合格をめざすのであれば、マスターしておいた方がいいでしょう。下記の問題も、原題では誘導されながら解いていく形式なので、…

ちょっと厄介そうな数列問題

規則性が見えてくれば、 「数列の第n項(一般項)」 を求めることは、そう難しいことではないはずです。しかし、 「第1~n項の総和」 を求めるとなると、規則性を把握できていたとしても、厄介になってくるものもありますね。高校生以上になると、基本的な公…

「3点を通る平面」による直方体の切断

立体問題の中でも定番中の定番である “平面による切断問題” について再確認しておきましょう。「異なる3点」が与えられれば、その3点を通る平面が決定するので、その平面で立体を切断する設定の問題は、皆さん取り組んだことがあると思います。錐体ではなく…

G.C.D.とL.C.M.と“2021”

「最大公約数と最小公倍数」 が与えられる場合(特に上位校入試)、鉄則とでも言えるような取り組み方がありましたね。原理をしっかり理解できていれば何でもないことなのですが、「最大公約数や最小公倍数の求め方」だけ覚えて機械的に対処しているようだと…

「√□が整数となる」問題(2021愛光、近大附属)

この定番問題では、√□が 「“整数”となるのか“自然数”となるのか」 で、まず注意が必要でしたね。今回は「√□が整数となる」設定の問題でいきましょう。 【問題-1】 √(180-3x)が整数となるような、最小の正の有理数xを求めよ。【問題-2】 √(25-n×n)が整数とな…

「代表値問題」で“理詰め”に慣れよう!-3(2021東海)

この類の問題は、計算でパッと解ける訳ではないので、入試などで時間制限がある場合だと、状況によっては焦ってしまう人もいるかもしれませんね。そのおそれがあるのならば、最後に回して落ち着いて考えるようにしましょう。 【問題-3】 点数が0点以上10点以…

「円周上の点」と確率(2021巣鴨)

円周上の点を結ぶと、 「どのような図形が形成されるのか」 という、 「円に関する基礎知識」 を問いながら、それに 「確率」 を絡めた定番問題です。なお、円周を等分(三等分以上)した点を全て結んでいけば、必ず正多角形が形成されますね。ですから、「…

平面幾何の基本を蔑ろにしていませんか?(2021青山学院)

塾などで発展内容の先取り学習を行っていると、そのおかげで学校の問題がスラスラ解けてしまうこともあって、 “テクニックを使うことのみ” に走ってしまう生徒が出てくることがあります。なにごとも、 「まずは原理をしっかり理解する」 ことこそが重要であ…

ちょっとオモシロイ「平行四辺形と線分比」問題

平行四辺形を土台とした「線分比問題」は定番中の定番ですね。今回は、定番問題のように「具体的な線分の長さ」が与えられる訳ではないので、手が止まってしまう人もいるかもしれません。惑わされずに解いてみましょう。 【問題】 平行四辺形ABCDの対角線BD…

いくつかの自然数の積の和の最小値

定番の「西暦年数問題」のような体裁でありながら、ちょっとオモシロイ整数問題です。 【問題】 √(10x)+√(21y)を2乗すると自然数となるような、自然数(x,y)の組のうち、x+yの最小値を求めよ。 まずは、 「√□が自然数となる」 との設定での攻め方を再確認した…

“2021”西暦年数問題-2

これまた定番の「西暦年数問題」です。基本問題の範疇ですから、時間がかかってしまったり、解ききれなかったりする場合は、しっかり復習し直しましょう。 【問題-1】 (√2021)x+(√2019)y=2,(√2019)x+(√2021)y=1 のとき、x×x-y×yの値を求めよ。【問題-2】 N=√…

「代表値問題」で“理詰め”に慣れよう!-2(2021学大附)

【問題-1】よりは若干“推理”しにくいかもしれませんが、落ち着いて考えれば理解できるはずです。 【問題-2】 50点満点のテストを8人が受け、その結果は、 「42,25,9,37,11,23,50,31(点)」 であった。 この日欠席したAとBの2人が後日テストを受けたところ、 …

「代表値問題」で“理詰め”に慣れよう!-1(2021慶應義塾)

「かなうものなら数学という科目は入試では避けたい…」 と思っている人は、志望校合格のための手段として、仕方なく解き方や公式を覚えるなどして凌ごうとしているのではないでしょうか。本来「中高生のための数学」は、“論理的思考力を培う”ために学ぶ学問…

「多角形の周上の点」と確率(2021お茶の水女子大附属/中大杉並)

「多角形の周上の点」と「確率」を絡めた問題は、入試においては定番ですね。 例えば、【問題-1】 正三角形ABCの辺AB,BC,CAの中点をそれぞれD,E,Fとする。 また、袋の中にA,B,C,D,E,Fの文字が1つずつ書かれた6個の球が入っており、ここから同時に3個の球を取…

「整数・小数部分」のちょっとオモシロイ問題(2021西大和学園)

ある数の「整数・小数部分」に関する問題は、入試においては定番でもあり、皆さんもどこかで解いたことがあると思います。 そこで、まずはこの問題を解いてみましょう。正しくサッと解ききれるのであれば問題ないのですが… 【問題】 aは50以下の素数とする。…

立体の表面上の最短経路

定番の「最短経路問題」の立体版です。平面の場合と同様に考えていけばいいのですが、例によって、“素早く正確に”解けなければ意味がありませんね。 【問題】 同じ大きさの4つの立方体を、 「縦:横:高さの比が2:2:1」 となるように組み合わせてできた直方体A…

2つの2次方程式の解の和(2021灘)

「2つの2次方程式」がらみで、もう1問やってみましょう。「2次方程式」にはかなり慣れてきているとは思いますが、難関校合格をめざす人向けの問題となります。小問集合の中の1問とはいえ、意外と手こずるかもしれません。 【問題】 a,bを0でない定数、c,p,q…

「共通な解が1つ」である2つの2次方程式

高校生以上がパッとみると、 「2つの2次関数のグラフの共有点問題?」 と、変な方向に行ってしまうかもしれませんね。この問題では「判別式」は関係ありませんので、よく読み直してみましょう。原題の高校入試問題では誘導設問があるのですが、この時期の受…

確固たる裏付けのもとで解いていますか?

解く過程を記述させる問題で、 「正しい論理展開ができていないのに答えだけは正解」 とする生徒が多かったとしましょう。もしその問題が、 「答えのみ求めさせる形式」 であったならば、 「正解だったから全く問題なし!」 としていると、要注意な場合が結…