数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

いくつかの自然数の積の和の最小値

定番の「西暦年数問題」のような体裁でありながら、ちょっとオモシロイ整数問題です。


【問題】
√(10x)+√(21y)を2乗すると自然数となるような、自然数(x,y)の組のうち、x+yの最小値を求めよ。


まずは、
「√□が自然数となる」
との設定での攻め方を再確認した上で、
「最小値となる」
にはどうであればよいかを考えましょう。


【解説】
まず、
「√(10x)+√(21y)の2乗」
は、
「10x+21y+2√(210xy)」
となるので、これが自然数となるためには、
「210xyが平方数」
であればいいですね。

ここで、
「210=2×3×5×7」
素因数分解できるので、
「xyが(2×3×5×7)の奇数乗」
であれば、上記を満たしますね。

求めるものは、
「x+yの最小値」
なので、
「xy=2×3×5×7」
となることはわかると思います。

つまり、
「2×3×5×7」
を、
「2数の積」
に分解したときの、
「その2数の和の最小値」
を求めればいいですね。

ちょっと考えれば、
「“2数の積”は8パターン」
しかないことがわかるので、実際の入試の際には、その中から最小値となるパターンを選べばいいでしょう。

(2021城北)


中高一貫高生ならば、もう一歩踏み込んで、
「1<a<b<c<dを満たす4つの素数a,b,c,dがある。
この4つの素数を2組に分けたとき、それぞれの組の素数の積どうしの和が最小となる分け方を求めよ。」
というような問題に取り組んでみましょう。

さらに、
「最小となる分け方が同時に複数存在する場合があり得るか」
についても考えてみましょう。

“理詰め”のいい練習になります。