数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

約数3個の総和(2020慶應女子)

「もう2次方程式解けるようになった?」
私立K高校に通う姉が、公立中に通う弟に尋ねました。

因数分解して解く方法ならできるけど?」

すると、姉は
「だったら問題!
ある自然数Nの約数は3個で、その総和が183であるとき、Nの値は?」

「そんなの、めんどくさいよ~」

「あ、そう。うちらの学校に入りたければ、このぐらいサッと解けなければ無理だけどね~」

K高校の男子部をめざす弟は、カチンときて考えだしました。
「まず1は必ず約数に含まれるから引いて、Nともう1つの約数との和が182だから…」

「あ~あ、その調子だと日が暮れそうだわ…。“約数3個”の数と言えば??」

「…あ、“素数の2乗”となる数だ!」
と気づくと、弟は次のように解き始めました。

素数をnとおくと題意より
1+n+n×n=183
n×n+n-182=0
(n-13)(n+14)=0
∴n>0よりn=13

「できたよ!答えは13!」

姉は頭を抱えて、
「そういうところを受験に向けて直していかないと…」

「あ、13×13=169でした!(エヘヘ…)」