数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

ちょっとオモシロイ「サイコロの目の約数」問題

「ウケる~!今年の都立と愛知県立で“コラッツ問題”が出てる~」

塾の先生の影響ですっかり“数学好き”になってしまった姉が、JKらしからぬ本を見てはしゃいでいる。
何か嫌な予感がする…。

「ねぇねぇ、この問題さぁ…」
やっぱりだ…。
「愛知県立の“コラッツ”は簡単だから、こっちの問題解いてみ!」

しかし、姉の通う学校をめざす身としては、姉には頭が上がらない…。
「はい、はい…」


【問題】
1,2,3,4,5,6の数が書かれたカードが1枚ずつある。
1つのサイコロを2回続けて投げる。
1回目は、出た目の数の約数が書かれたカードを全て取り除く。
2回目は、出た目の数の約数が書かれたカードが残っていれば、そのカードをさらに取り除く。
このとき、カードが1枚だけ残る確率を求めよ。


「1回目または2回目の数の約数が5種類あればいいんじゃないの?」
と思いついたまま答えてみた。
「お、今日は冴えてるねぇ。で、とにかく答えを出してみ!」


“Aの約数またはBの約数”が5種類となるには、
(AとB)=(4と6),(5と6)
のみなので、
∴4/36=1/9


「さすがに、この程度だとケアレスミスしないか…」
解放されたと思いきや、
「だと思って、こんな問題考えたんだけど、やってみ!」


【問題】
1,2,3,4,5,6の数が書かれた面(表)を上にしたカードが1枚ずつ順番に並べてある。
1つのサイコロを1回投げたら、出た目の数の約数のカードを「表だったら裏、裏だったら表」にひっくり返す。
これを3回繰り返した後に、1枚だけ表となっている確率を求めよ。
例えば、サイコロの目が(1,2,3)と出たら、
{1,2,3}のカードが裏になり、{4,5,6}のカードが表のままとなる。


「え~…」
結構大変な気がする…



弟くんの予感通りに、原題のようにサッと解ける問題ではなくなっています。
でも、答えは自分で試してみれば誰でも求められますね。

「神奈川県立」で出題されそうな問題ですが、“三平方の定理”が除外される「都立」でも、このような問題が出題される可能性はありそうですね。


(注意)
やらかしそうな間違いが、
「1回は1で他の2回は同じ目」
であればよいと考えてしまうことです。
これでは、
「1のカードのみ裏」
となってしまうので題意を満たしませんね。