当然ながら、複雑な立体であればあるほど、展開図のみから、それを組み立ててできる立体をイメージすることは難しいですね。
その展開図を頭の中で組み立て、見取り図に変換できる能力を持っているのであれば、初見の展開図でも何とかイメージすることも可能でしょう。
とは言え、そのような能力を持っている方が少数派でしょう。
では、どうするか?
入試などで出てくる立体の展開図は、ある程度限られるので、最低限の備えだけはしておくようにしましょう。
まずは、何度も伝えている、
“正多面体”、
そして、難関校をめざすのであれば、
“準正多面体”
までは、展開図と共に慣れ親しんでおくといいでしょう。
“正多面体”は必須ですが、“準正多面体”は一度でも接した経験があれば、入試で出てきても慌てずに対応することができるでしょう。
下図は、実際の入試で出題された、
「1辺の長さが等しい正多角形の面のみ」
で構成された立体の展開図です。
頑張って、“紙面上”で組み立てる訓練をしてみましょう。
【解説】
“正八面体”から、その各頂点を含む正四角錐(6個)を取り除いた立体となります(“切頂八面体”)。
ですから、一見難解そうな立体に感じたかもしれませんが、例えば、この立体の体積は簡単に求めることができますね。
(※今年の巣鴨では、正にこの立体の体積を求めさせる設問がありました。)
よって、実際の入試問題では、この立体を組み立てた後の“ひもかけ問題”となっており、試験時間内に正解を導くのはかなり厳しい内容となっています。
なお、同校では、その前年も同じタイプの“準正多面体”の展開図が出題されていることもあり、その備えをしてくるであろう受験生を見越して、敢えて難しい設問にしたと思われます。
※前年の“準正多面体”は、
「正八面体から取り除く正四角錐が今年のものより大きい場合」
と捉えることができますね。