数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

「2種類の比」の扱い方に慣れよう!

 
小学生は、基本的には方程式を用いて問題を解くことはないので、特に“受験算数”においては、「比」を駆使しながら問題に取り組むことになります。
 
そこで、ややテクニカルな手法を用いたりする場合もあるので、それに馴染めないと、“受験算数”が嫌いになってしまう原因にもなってしまいます。
 
確かに、“逆比”まで駆使してガチャガチャ解くような問題の場合は、
「方程式で解けば簡単なのに…」
と同情してしまう例が結構あるのも事実です。
 
 
今回の問題はいわゆる「整数問題」ですが、その条件設定に比が用いられているだけなので、何とか理詰めで解ききってほしいところです。
 
高校入試問題ではあるのですが、不定方程式を立てるまでもない内容なので、小学生のように解いても時間的な差はないでしょう。
 
 
【問題
あるバスの乗客の大人とこどもの人数比は7:4であった。
次の停留所で降車する人はおらず、新しく大人とこども合わせて8人が乗車してきたところ、大人とこどもの人数比が8:5となった。
バスの最大乗車人数が55人のとき、停留所を出発した後の大人とこどもの人数はそれぞれ何人か?
 
 
【解説】
まず、
最大乗車人数が55人」
なので、かなりパターンが絞られますね。
 
人数比が8:5」
という条件から、
「出発後の総人数は13or26or39or52人」
しかあり得ないですね。
 
そこから、
「8人増える前の総人数が“7+4=11の倍数”」
となる場合を探せばいいだけですね。
 
そうすると1通りしか該当しないので、
∴出発後の大人は32人、こどもは20人
 
 
(2023ラ・サール・改題)