数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

2019-01-01から1年間の記事一覧

受験生の質問を受け付けます

当ブログでは、2018~19年の「高校入試問題」を中心に、100問以上の解説を行ってきました。 その理由は、小学生から大人まで、幅広い層の人たちが取り組みやすいからです。 小学生にとっては難しいものも多かったでしょうが、チョッと背伸びをすれば理解でき…

立体に内接する最大の球

「内接球」と聞くと後込みする人もいるかもしれませんが、順を追って考えていけば決して難しくありません。 【問題】 全く同じ底面を持つ円錐VとWが、底面どうしがピッタリ重なり合ってできた立体を考える。 上側の円錐Vの側面の展開図は 「半径20中心角216°…

折り返し問題-4

この定番問題も、意外と苦戦するかもしれません。 時間がかかってしまった場合は、入試本番に向けて、取り組み方をしっかり確認しておきましょう。 【問題】 AB=1,BC=3の長方形ABCDを、AとCが重なるように折ったときの折り目をEFとする。 BEとAFの交点をHと…

角の二等分線(中級編)

解き慣れていないと、意外と時間がかかったり、解けなかったりするかもしれません。また、入試問題では、与条件の説明に“一癖”あることも多いので注意しましょう。 【問題】 AC=5である△ABCがある。 辺BCのC側に延長した直線上に「∠CAD=∠ABC」となる点Dをと…

円弧をアウトラインに含む図形(2019巣鴨)

「平面図形のアウトラインに円弧が含まれる」 ならば、その面積を求めるには円周率(π)が基本的には必要ですね(あの有名な図形を除いて)。 そこに着目して考えていけば、解法は見えてくるはずです。 【問題】 辺BCを直径とする円と辺AB,ACとの交点をD,Eとし…

角の二等分線と円

定番の組み合わせだからこそ、しっかりと解ききれるようにしておきましょう。 【問題】 △ABCはABを直径とする円Oに内接している。 ∠BACの二等分線と円Oとの交点をD、線分BCとの交点をEとする。 AB=8,AC=6のとき、 (1)BE=? (2)AE/CE=? (3)△ADC=? 【解説】 …

展開図から立体をイメージしよう!-2/解説

問題の与条件として、 立体の「上面図・側面図」(※) などが与えられていれば、 「正八角柱から全く同じ三角錐を8個取り除く方法」 で体積を求めるのが簡単でしょう。(※テキストなどでは「平面図・立面図」と表記されていることが多いですが、建築用語との関…

余りと乗法と“2020”

以前にも取り上げた「合同式」と「西暦年数“2020”」に関する問題です。合同式は発展事項に属しますが、この考え方が理解できていると下記の問題はサッと解けてしまいます。 もちろん、知らなくともある程度簡単に解くことは可能です。 【問題】 ある整数Aを3…

サクッとできればOK!~確率編(2019明治大学付属明治)

受験の際は、このような小問を絶対に落としてはいけませんね。何度も伝えている通り、「確率問題」では“惜しい間違い”は全く意味がありません。 惜しくても、間違いならば0点です。 【問題】 大小2つのサイコロを同時に1回投げ、 大サイコロの出た目の数をa…

サクッとできればOK!~角の二等分線編(2019青山学院)

「角の二等分線」に関する問題は、定番中の定番ですね。 それだけに、どのような出題パターンであっても、しっかりと解ききれるように準備しておく必要があります。 【問題】 △ABCにおいて、 ∠Aの二等分線と辺BCとの交点をD、 ∠Cの二等分線と辺ABとの交点をE…

展開図から立体をイメージしよう!-2

側面を形成する各面と上・下面の形状から、対称性をもった立体であることがわかりますね。また、問題文にも記してある通り、 「上面と下面は平行」 になります。 では、体積はどのように求めればいいでしょうか。様々なアプローチが考えられますが、できるだ…

平面における線分の回転軌跡

以前、「“空間”における線分の回転軌跡」を取り上げましたが、その“平面”バージョンです。 定番問題ではありますが、受験に向けて念のため確認しておきましょう。 【問題】 座標平面上に、A(-5,12),B(4,3)の2点がある。 このとき、 「線分ABを原点Oを中心と…

断頭三角柱or体積比(2019西大和学園・改題)

“断頭三角柱”一本で押していってもいいでしょうが、別の解法があることも理解しておきましょう。また、「五面体の切断」がありますが、このくらいはできるはずですね。 【問題】 五面体ABC-DEFの面BEFCは長方形、面DEFは1辺2√2の正三角形である。 また、四角…

3桁の自然数-3(2019西大和学園)

小学生でも論理的に絞り込んでいけば解けますが、やはり中学生以上にサッと解いてほしい問題です。方程式を立てて“素早く正確に”解ければOKです。 【問題】 3桁の自然数Nがある。 Nを100で割った余りは、百の位の数を12倍した数に1加えた数に等しい。 また、…

格子点問題-2(2019京都府立・改題)

リニア新幹線開業予定の西暦年数である“2027”と“格子点”とを絡めた標準問題です。一応確認しておきますが、 「座標平面上においてx,y両座標共に整数値となる点」 を格子点と呼びます。 【問題】 座標平面上に、原点Oを頂点の1つとする長方形OABC がある。 A(…

円錐の軌跡(2019都立立川)

「円錐を平面上で転がす」出題パターンも、入試問題ではよく見受けられます。 【問題】 底面の半径1、母線の長さ√2の円錐を、 頂点Oを中心として、側面が平面上をすべらないように出発地点Aから転がし、 頂点Oのまわりをちょうど1周させる。 このとき、円錐…

合同条件“表現”の違和感

高校入試においても、「数学」記述問題は昨今重視されてきています。 しかし、公立校であっても志望校の先生が採点を行うので、「大学入学共通テスト」のような問題は発生しません。中でも、「合同・相似の証明問題」は記述問の代表格です。 その「三角形の…

「数学」記述問題について思うこと

「大学入学共通テスト」の記述問題をめぐって、様々な議論がなされています。「国語」の次数制限解答に比べれば、「数学」の記述解答は受験生も取り組みやすいでしょうし、採点する側も総じて対応はしやすいでしょう。しかしながら、記述問の採点の際に対応…

空間における線分の長さ

受験も間近に迫ってきましたが、「見当違いによるミス」は絶対になくしていきましょう。もしそれで、願いがかなわない事態につながれば、悔やんでも悔やみきれませんね。 【問題】 AB=BC=3,AE=6の直方体がある。 辺DHの中点をM、線分ME,EGの中点をI,Jとする…

回転移動による軌跡(2019城北)

「点や線分を軸を中心に回転させる」とどうなるか、イメージできるようにしておきましょう。 【問題】 1辺3の立方体ABCD-EFGHがある。 線分EG上の点Xから、線分FGへ下ろした垂線の足をYとすると、FY=√3となる。 このとき、点Xを辺ABを軸として、立方体の内部…

平面上の連動する2動点(2019法政大学第二)

「平面図形上の動点問題」の中でも、ちょっとオモシロイ問題です。 【問題】 AB=4,BC=8の長方形ABCDに、辺BCを直径とする半円Oが内接している。 点Pは、A→D→Cと長方形の辺上を毎秒1の速さで動き、点Aを出発してからの時間をx秒とする。 点Qは、線分BPと半円O…

立体の辺上の2動点(2019高知県立)

“動点”問題では、 「動点が3個以上」や、 「方向を変えたり止まったりの不規則な移動」、 「無限の移動における規則性」 などの様々な出題パターンが考えられ、入試においても頻出分野の一つです。今回は「立体の辺上の2動点」を用いた標準問題でみていきま…

“2020”問題(西暦年数問題)

「入試が実施される西暦年数」を題材とした問題は、毎年いくつかの学校で出題されています。下記の問題は、来年「2020年入試」での予想問題の一例です。 【問題】 x,yを自然数とするとき、 √(2020+x)=(√5)y を満たす最小のxは? 定番問題ですから、取り組み…

図を描き直そう!

入試問題に取り組む際に、 「与条件とは明らかに図が異なる場合」 または、今回のように 「ミスを誘うような図の場合」 は、 “わかりやすい大きな図” に躊躇せずに描き直しましょう! 例えば、下記のような問題でみていきましょう。【問題】 直径AB=25/2の円…

グラフと回転体(2019鳥取県立)

「関数のグラフなどで囲まれた平面図形」の回転体についての問題です。 入試ではよく出題される分野です。【問題】 直線y=x-1とx軸との交点をA、 直線y=(1/3)x+3とy軸との交点をB、 この2直線の交点をPとする。 また、 3点A,B,Pを通る円とx軸との交点のうちA…

概数でとらえてみよう!(解説)

“数学嫌い”のお子さん(大人も)は、少なからずいることは否めません…。そんなお子さんに、最低限身につけてほしい能力が 「数量を概数でとらえる力」 です。将来大人になってから、 「おおよその量・大きさ・速さなどを素早く把握する」 ことを要求される機…

平行四辺形とひし形(2019千葉県立)

この時期の受験生ならば、あまり時間をかけずに解ききりたいところです。 【問題】平行四辺形ABCDがあり辺AD,BCの中点をP,Qとする。 2点R,Sを平行四辺形ABCDの外側に、四角形PQRSがひし形になるようにとる。 線分PQと線分RSの交点をE、 線分RSと線分CDの交点…

多角形の頂点上の移動(2019愛知県立)

「多角形の頂点上を移動する」問題では、“合同式”の考え方を用いると取り組みやすくなります。しかし下記の問題は、一般県立の入試問題なので、当然それを用いなくとも解くことはできます。 【問題】 五角形ABCDEの頂点Aにコマが置いてある。 大小2個のサイ…

円錐の切断面(2019宮崎県立)

円錐の“ある性質”が絡んでいる問題なのですが、それを知らなくとも解けてしまう問題です。むしろ、“ある勘違い”をしたまま正答を導き出した受験生が多かったのではないでしょうか。 【問題】 「AB=4の長方形ABCDの紙」がある。 (辺ADの中点をM。) この紙を…

平面図形の折り曲げ(2019愛知県立)

平面図形を“紙のようなもの”と想定した上で、それを折り曲げてできる立体についての問題です。出題頻度はそれほど高くはありませんが、慣れておくべきでしょう。 【問題】 △ABCは1辺6の正三角形。 BD=2となる点Dを辺BCにとる。 線分ADを折り目として平面ABD…