数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

円錐の軌跡(2019都立立川)

「円錐を平面上で転がす」出題パターンも、入試問題ではよく見受けられます。


【問題】

底面の半径1、母線の長さ√2の円錐を、
頂点Oを中心として、側面が平面上をすべらないように出発地点Aから転がし、
頂点Oのまわりをちょうど1周させる。
このとき、円錐の底面の円周が通過してできる曲面の面積は?


いわゆる「軌跡問題」ですが、わかることを論理的につなぎ合わせればイメージできるはずです。



【解説】

頂点Oから円錐底面の円周上の任意の点までの距離は√2ですね。

また、この円錐を
「頂点と底面の中心を含む平面で切断」
した切断面は、
「直角二等辺三角形
となります。

とすると、
頂点Oから「“円錐の軌跡”としてできる立体」の曲面上の任意の点までの距離も√2ですね。
(曲面上に穴も開きませんね。)

ということは、
「円錐の軌跡としてできる立体」は“半球”
だとわかります。

∴4π×(√2の2乗)×1/2=4π