数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

2023神奈川県立入試【数学】-問6

「今年の立体問題は“錐体”が題材とされるだろう…」
と予想された中で、案の定“円錐”に関する出題がありました。
 
最後の設問は“ひもかけ”問題でしたが、あまりにも出し尽くされた感もあることから、出題者の工夫が垣間見えました。
 
中学課程では、線分の長さを求める際の条件としては、“特別角(ときには15゜,75゜)”が現れるように設定されているはずですね。
 
そこを“くすぐる”ような条件設定がなされているところがミソです。
 
 
【問題】
線分AB(=8)を直径とする円Oを底面、頂点をC(母線AC=BC=10)とする直円錐がある。
円Oの周上に∠AOE=60゜となる点Eとり、線分ACの中点をFとする。
この円錐の側面上に、点Eから線分BCと交わるように点Fまでひいた最短の線の長さを求めよ。
 
 
【解説】
まずは、
「側面の展開図の中心角は144゜」
と求められますね。
 
「この補角は36゜か…」
と、この段階で諦めてしまわないように。
 
ポイントは、
「展開図上の∠ACE=144/6=24゜」
となることから、
「補角60゜」
が現れますね。
 
よって、
「展開図上の線分EF」
は、
「直角を形成する辺が10と5√3の直角三角形の斜辺」
となるので、
∴5√7