今年は、昨年のような“時間ばかりかかる”ような問題はなくなり、平均点も例年並みに戻ることでしょう。
また、“変な設定のプレゼント交換”が題材とされた昨年から一転、最近日本の中高生にも人気が高まってきているバスケットボールを題材とした、なかなかオモシロイ2次関数の出題がありました。
(※最近の中高生の部活で一番人気があるのがバスケ部とか…?)
放物線を描くボールの軌跡を利用した定番の流れとはいえ、うまく問題の題材にしたと思います。
全体的な出題レベルとしては、依然として中学生にも解ける問題もあるものの、“共通テスト”になってからは、さすがにそこまで簡単なものは減ってきているようです。
問題文で使用される言葉や概念自体に未習部分が多いため、そもそも手を出しにくい内容となっているからです。
但し、選択問題【第5問】の円問題は、そのまま全て中学生でも解ききれるはずです。
よって、高校生もこの問題を選択するのが得策だったでしょう。
円問題は一見難しそうに見えてしまうので、なかなか手を出しにくかったかもしれませんが、結果的には【第4問】の整数問題を選択してしまうと、時間内に完答できなかった受験生もいたことでしょう。
最後の設問は「3元1次の不定方程式」を解くことになるので、その対応方法に慣れていないと難しく感じたかもしれませんね。
【略解】
解き進めていくと、
「462x+363y=2310z(x,y,z;自然数)」
という不定方程式が立てられます。
基本レベルであれば、
「一番影響の大きなzの値に着目して数を当てはめていく」
という方法で対処できる場合が多いですね。
しかし、今回の場合はそれでは大変なので、
「“積”の形に式変形できないか」
という次のステップで対処することを考えましょう。
まずは、
「14x+11y=70z」
と簡単にしてから、
「14と70に着目」
すれば、
「11y=14(5z-x)」
と式変形できますね。
後は、定番の流れで、
「x=5z-11m, y=14m(m;整数)」
と求まり、
「x,y,zは自然数」
であることから、
「z≧3」
とわかります。
∴2310×3=6930