数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

立方体の塗り分け問題

以前にも取り上げた「立方体の塗り分け方」を題材とした問題。
 
 
今年のある難関大学入試でも出題されました。
 
しっかりと論理的に考えられるのであれば小学生でも解けますが、中学生以上であれば、多少の時間はかかったとしても解くことができるはずです。
 
もちろん、ある一つの設問だけの話なので、難関大学の入試問題であっても、そういうこともあり得るのです。
 
「もしかして合格できる学力がある?」
などと勘違いしてしまってはいけないものの、何となく気分が良くなる面もあると思うので、トライしてみましょう。
 
 
【問題】
「3個の異なる色」を用意する。立方体の各面にいずれかの色を塗る。各面にどの色を塗るかは同様に確からしいとする。辺を共有するどの二つの面にも異なる色が塗られる確率を求めよ。
また上記と同じ条件で、「4個の異なる色」を用意した場合の確率を求めよ。
 
 
実際の問題では、「n個」で出題され極限まで求める内容となっていますが、上記の確率を求める設問も前段で出題されています。
 
※小学生のために説明しておくと、「同様に確からしい」とは「サイコロをふる時のようにどの場合となる確率も同じ」であることを意味します。
 
 
「3個の異なる色」の場合
 問題文には、
「全ての色を用いること」
という但し書きはありませんが、必然的に3色用いないと全ての面を塗ることはできませんね。

よって、題意を満たすためには、
「各色“対面どうしの二面”ずつ塗る」
となることはわかりますね。
 
そして、特に注意しなければならないのは、
「立方体の塗り分け方の“種類”を問うている訳ではない」
というところです。
 
“確率”を求めるのですから、
「回転させると同じパターンになるから…」
などと考えていてはいけませんね。
 
例えば、
「aという面に隣接する面を順番にb,c,d,e」
とし、
「aの対面にあたる面をf」
としましょう。
 
すると、
「(a,f),(b,d),(c,e)」
がそれぞれ
「同色となる“対面どうしの二面”の組み合わせ」
となりますね。
 
つまり、
「3色を赤、青、黄」
とすると、例えば、
「(a,f)が赤,(b,d)が青,(c,e)が黄」
と、
「(a,f)が赤,(b,d)が黄,(c,e)が青」
が違うパターンとしてカウントしていかなければいけませんね。
 
すると、
「(a,f)が赤の場合」
「(b,d)が赤の場合」
「(c,e)が赤の場合」
と場合分けすると、各々2通りずつあるので、
「全部で6通り」
ありますね。
 
∴ 6/(3の6乗)=2/243