数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

立方体の塗り分け(2022慶應義塾志木)

「多面体の塗り分け方」が色数・ルールによって何通りあるかを求める”定番中の定番”の問題です。

取り組み方を一度じっくり理解してさえおけば、多少応用された出題がなされたとしても、落ち着いて対処できるはずです。

くれぐれも、
「“パターン化して覚える”ことは身のためにならない」
ということを肝に銘じておきましょうね。



【問題】
立方体のつの面を塗り分けるとき、次の場合の塗り分け方は何通りあるか。
但し、回転して一致する塗り分け方は同じとみなす。

(1)赤、青、黄、緑、黒、白の6色を全て使う場合
(2)赤、青、黄、緑、黒の5色を全て使い、隣り合う面は異なる色を塗る場合
(3)赤、青、黄、緑、黒の5色を全て使う場合



(1)の6色で塗り分ける場合、
“各面が全て差別化されている”
と考えれば、その塗り分け方は全部で
「6!通り」
ですね。

しかし今回の設定では、その中にはかなりの重複パターンが含まれていることが、よく考えればわかると思います。

この類の問題が初めての場合は、最初に(2)を解いてみると(1)の取り組み方が見えてくるでしょう。



【解説】
(1)
「1色の位置を固定」
して考えることがカギで、あとは“円順列”の考え方で数え上げるだけです。
∴5×4!/4=30通り

(2)
「向かい合う面が同色」
であれば題意を満たすので、あとは“数珠順列”の考え方で数え上げるだけです。
∴5×4!/4×1/2=15通り

(3)
(2)以外に、
「隣り合う面が同色」
の場合があり、これは
「ひっくり返すと同じパターンになる場合」
を重複して数え上げないように注意して、
∴15+5×4!/2=75通り