数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

“色分け”問題(2022同志社・改題)

平面であれ立体であれ、この種の問題は「場合の数」分野の定番問題ではありますね。
 
しかし、落ち着いて方針を見極めた上で臨まないと、かなりの時間を要してしまったり、カウントミスを犯してしまったりしやすい問題でもあります。
 
基本スタンスとしては、“理詰め”で攻めていけばいいだけのですが、場合分け方法を誤ると時間内に解ききれない事態に陥ることも考えられるので、今のうちに対応方法を練習しておきましょう。
 
 
【問題】
長方形を下記のように7つのゾーンに分ける。
まず長手方向に平行な直線で、長方形を三等分(三段)する。
そして、短手方向に平行な直線で、最上段と最下段は二等分、中段は三等分する。
最上段の左端のゾーンから1,2、同様に中段の左端から3,4,5、最下段の左端から6,7と名づける。
この7つのゾーンを下記の条件で塗り分けるとき、それぞれ何通りあるか求めよ。
但し、隣り合うゾーンには異なる色を塗り、同じ色を何度用いてもよいものとする。
 
(1)赤、青、黄の3色を用いる。
(2)赤、青、黄、緑の4色全てを用いる。但し、ゾーン1は青、ゾーン4は赤を塗ることとする。
 
 
【解説】
(1)
このゾーンの分け方だと、
「どのゾーンにも3ゾーン以上が隣接」
しているので、例えば
「ゾーン1,3,4に3色を配色」
してみることで、
「自ずと他のゾーンの配色が決定」
することに気づけると思います。
 
つまり、
「3ゾーンへの3色の配色方法=7ゾーンの色分け方法」
となるので、
∴3!=6通り
 
 
(別解)
7ゾーンを模式的に描き直せば、
「外側のドーナツ部分を六等分した同心円2つ」
となるので、
「真ん中の円(ゾーン4)の配色」
に着目すれば、
「各色につき2通りずつある」
ことがわかることから求めても構いませんね。
 
 
(2)
上記の模式図で考えると捉えやすいでしょう。
 
「真ん中にゾーン4」
があり、
「左上から反時計回りにゾーン1,3,6,7,5,2」
があるような図となりますね。
 
「ゾーン1,4の配色が決定」
しているので、次に決定できるのは、
「ゾーン2,3の配色」
となります。
 
そして、そのゾーンの配色の系統分けとしては、
「同じ色の場合」(*1)
と、
「異なる色の場合」(*2)
の2パターンありますね。
 
さらに次の、
「ゾーン5,6の配色」
でも、
「同じ色の場合」
と、
「異なる色の場合」
の2パターンに分けて考えていけばいいですね。
 
このように、場合分けした上で順次理詰めで絞り込んでいけば、漏れなく重複なく数え上げることができます。
 
(*1)が5×2通り、(*2)が5×2通りあるので、
∴20通り