数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

“複合比”問題(2022渋谷教育学園幕張)

入試本番も間近に迫ってきたので、比を求める本格的な実践問題に取り組んでおきましょう。
 
今まで培った様々な知識を総動員させて、複合的に比を組み合わせて解く問題です。
 
“パッと見”だけでは筋道が見えてきにくいので、「いかに落ち着いて取り組むか」も大切な要素となるでしょう。
 
 
【問題】
△ABCの辺AB,AC上にそれぞれ点P,Qがあり、PCとQBの交点をR、ARとPQの交点をMとする。
4点P,B,C,Qは同一円周上にあり、AP:AQ=3:4、PB:QC=2:1であるとき、次の比を求めよ。
(1)AP:PB
(2)PM:MQ
 
 
【解説】
(1)
題意より、
「AP=3k,AQ=4k(k>0)」、
「PB=2m,QC=m(m>0)」
とおくと、方べきの定理より、
「3k(3k+2m)=4k(4k+m)」
 
これを解いて、
「m/k=7/2」
 
∴AP:PB=3:7
 
 
(2)
(1)より、
「PQ:CB=2:5=PR:BR」
 
また、
「△PRB∽△QRC」
より
「PR:QR=2:1」
 
よって、
「BR:RQ=5:1」
 
これより、
「△APR:△AQR=5/6×3/10:1/6=3:2」
 
∴PM:MQ=△APR:△AQR=3:2