数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

“比の移動・変換”を自由自在に!(2020立命館)

以前にも何回か取り上げましたが、苦手とする生徒が多い分野であるのも事実です。

原理をしっかりと理解しないまま、発展公式にあてはめて解くことばかりに慣れてしまうと、応用がきかなくなってしまいます。

まずは
“比の移動や変換”
がしっかりできるようにしておきましょう。



【問題】
△ABCにおいて、辺AB上に点D、辺AC上に点E、BEとCDの交点をFとする。
△BDF=1,△BCF=3,△CEF=2とするとき、四角形ADFEの面積を求めよ。


(答え;18/7)


【解説】
様々な解き方が考えられますね。


メネラウス”を知っている場合は、
「四角形ADFE=x」
とおいて、線分比に変換してしまえばいいですね。

知らない場合は、
「△ADF=m,△AEF=n」
とおいて、同じく線分比に変換して連立方程式を解いても構わないでしょう。


しかし、まずは、
“比の移動”
を利用して解けるようにしておくべきでしょう。


例えば、
「Dを通るBEに平行な補助線」
を引きACとの交点をPとします。

f:id:booterpig:20200817145224j:plain

すると、
CF:FD=CE:EP=3:1
となるので、
FE:DP=3:4

また題意より、
BF:FE=3:2
となるので、
DP:BE=8:15
つまり、
AP:PE=8:7

よって、
AP:PE:EC=8:7:21
となることから、
∴四角形ADFE
=△ABE-△BDF
=(3+2)×15/21-1
=18/7



“比の移動・変換”を自由自在に行えるようになれば、
「体積・面積や線分の長さ」
をアッという間に求めることもできるので、是非マスターしてほしいところです。