数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

2023神奈川県立入試【数学】について

最近の都立入試の易化に比して、神奈川県立の内容は、より思考・判断・計算力を要するものになっています。
 
今年は、問題中盤の問3で「解く時間を要する小問」が多く、これにペースを乱されずに取り組むことができたかが、一つのカギとなったことでしょう。
(※(ゥ)→計算が面倒なだけの設問で、その“罪滅ぼし”をするかのようなような曖昧な選択肢…。疑問を感じざるを得ません…。)
 
これから都立入試に挑む受験生の皆さんも、「取り組む問題の順番や時間配分」に十分注意しましょう。
 
例えば、次のような問題が、まだ大問が3つも控えている段階で出題されたらどうするでしょうか。
 
得意な人ならばサッと解いてしまうでしょうが、苦手としている人は後に回して落ち着いて取り組んだ方がいいでしょう。
 
 
【問題】
四角形ABCDは、
「AB=CD=DA,AB:BC=1:2」
の台形である。
辺上BCにBE:EC=3:1となる点Eをとり、辺CD,DAの中点をそれぞれF,Gとする。
さらに、線分AEと線分BFの交点をH、線分AEと線分BGの交点をIとする。
このとき、△BHIと四角形CFHEの面積比を求めよ。
 
 
【解説】
まず、
「AB=CD=DA,AB:BC=1:2」
を利用して、
「AD=2,BC=4」
とおいて面積を設定していけば楽に求められそうですね。
 
つまり、
「△ABE=台形AECD=3」
とおけば、
「AI:IH:HE=3:5:4」(*)
より、
「△BHI=3×5/12=5/4,△BEH=3×1/3=1」
 
ここで、
「Fは辺CDの中点」
より、
「△BCF=4×1/2=2」
となるので、
四角形CFHE=△BCF-△BEH=1」
 
∴△BHI:四角形CFHE=5:4
 
 
(*)直線ADと直線BFの交点を設定する定番の流れから求める