数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

2直線の交点(2021筑駒中)

今年の中学入試で出題された問題ですが、「何かを知らなければ解けない」という類のものではないので、こどもから大人まで誰にでも取り組めます。

力業で押し切っても不可能ではありませんが、ある程度まで考えたら、そこから先は計算で求められるようにしましょう。

但し、「それで全てですか?」と問われたときに、裏付けるための論理は必要にはなります。

中学生以上は、それを踏まえて正答を導きましょう。


【問題】(同義改題)
縦1、横1、高さ3の直方体がある。
この直方体の最長辺の三等分点をそれぞれとり、直方体の頂点と合わせて合計16個の点の中から、「2個以上の点を通る直線」を2本ひく。
その2直線が直方体の外側で交わる場合、その交点の位置として考えられるものは何通りあるか?
但し、直方体の外側には「面上、辺上あるいは頂点」を含まないものとする。


【解説】
実際の問題では、この設問の前段に、
「縦2横1の長方形(計6個の点)の場合」
と、
「縦1横1高さ2の直方体(計12個の点)の場合」
について、同様の設問があります。
(※答え; 4通り,24通り)

これらを解いてから考えると、考え方の方針が見えてくると思います。


まず、
「2直線が交わる」
ということは、
「2直線は同一平面上にある」
ということですね。

つまり、この設問内容からすると、
「“6個以上”の点が同一平面上にある場合」
について考えていけばいいことがわかりますね。
(※“4個”では題意を満たしませんね。)

そして、もっと端的にいえば、下記のような
「“8個”の点が同一平面上にある場合」
について検討すれば、あとは計算するだけで求められるはずです。


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左半分だけで11個あるので、この平面上には全部で22個あることがわかりますね。
(※上下で分けて考える場合は重複カウントに注意しましょう。)

このような
「“8個”の点が同一平面上にある場合」
が、この直方体においては
「6通り」
あることから、
∴22×6=132通り


※この「6通り」以外に、「“6個以上”の点が同一平面上にある場合」は考えられませんね。