数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

「代表値」から考察してみよう!

頻出問題ではありませんが、今のうちに慣れておいた方がいいでしょう。
(意外と、苦手とする人が多いようです…。)

代表値としての、
「(相加)平均値・中央値・最頻値」
をしっかり把握しておくのは当然のこととして、その値を元にいかに論理的に考察していくかが鍵です。

入試のような時間的制約がある状況下で、
「いかに冷静に理詰めで考えるか」
を想定しながら取り組みましょう。



【問題】
ある9名の生徒(Aグループ)に20点満点の小テストを行ったところ、各生徒の得点や代表値は下記の通りであった。

x,y,15,14,6,13,8,15,12(点)
「Aグループの平均値」は12点
「Aグループ全員の中央値」=「y点の生徒を除いた8名の中央値」

また、別の9名の生徒(Bグループ)にも同じ小テストを行ったところ、
「Bグループの平均値・中央値はともに12点」
であった。

(1)x,yの値を求めよ。

(2)次の(ァ)~(ェ)のうち、起こり得るものを全て選べ。
(ァ)AグループとBグループを合わせた18名の平均値は12点であった。
(ィ)AグループとBグループを合わせた18名の中央値は12点であった。
(ゥ)12点以下の生徒はAグループの方が多かった。
(ェ)12点以上の生徒はAグループの方が多かった。


(答え;13,12,?)



【解説】
(1)
まずは、
「x+y=25」
が導けますね。

すると、
(xとy)=(5と20),(6と19),(7と18),(8と17),(9と16),(10と15),(11と14),(12と13)
とわかりますが、いずれの場合も、
「9名全員の中央値は13点」
となることがわかりますね。

次に、
「y点の生徒を除いた8名の中央値」
を考えると、
「中央値=(No.4+No.5)/2=13」
とならなければいけないので、
「No.4=13,No.5=13」
の場合しかあり得ないことがわかります。
(∵「13点の生徒」は必ず少なくとも1人存在するので)

よって、
「y点の生徒を除外」
した後で、
「13点は2名必要」
であることから、
∴(x,y)=(13,12)


(2)
(ァ)平均値は必ず12点
(ィ)「BグループのNo.6が12点」であれば起こり得る
(ゥ)「Aグループの12点以下は4人」で「Bグループの12点以下は少なくとも5人はいる」ので起こり得ない
(ェ)「BグループのNo.3が11点以下でNo.4が12点」であれば起こり得る

∴(ァ),(ィ),(ェ)


(2020専修大附属・改題)



どうでしたか?すんなり解けましたか?

これが入試で出題されて、もし「平常心を乱されるな…」と感じたならば、迷わず最後に回して落ち着いて取り組みましょう。