数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

サクッとできればOK!(代表値編)

文字通りサクッと解くことができれば、何の問題もありません。

しかし、ウッカリ間違えてしまうような場合は、入試に向けて留意しておかなければならないでしょう。


【問題-1】
6人が各々10個の玉を投げ、かごの中に入った玉の個数を数えた。
そのうち、
「4人の結果は5個,9個,10個,3個」
で、
「6人の平均値は7.0、中央値は7.5」
だった。
残り2人A,Bの個数を(a,b)と表すとすると、この(a,b)は何通り考えられるか?


「2通り」と答えてしまったならば、ウッカリさんですね。



【解説】
「平均値が7.0」
より、
「6人の合計個数は42個」
とわかるので、
「a+b=15」
となりますね。

ここで、
「中央値が7.5」
より、
「(a,b)=(6,9),(7,8),(8,7),(9,6)」
となるので、
∴4通り

(2021都立青山・改題)


“やらかしそうな間違い”としては、
「2人の個数は7個,8個のみ」
と早合点してしまう場合や、
「7個,8個と6個,9個」
と気づいていながら、勝手に“組み合わせ”で考えて「2通り」としてしまうような場合でしょうか。

間違えた人は、「何てことはないケアレスミス」と片付けたいでしょうが、注意を促しているのにやらかしてしまっているので、再度繰り返す可能性は拭い切れませんね…。
今後は、その点に十分留意しながら勉強を進めましょう。




もう1問、今年の入試問題から追加しておきましょう。



【問題-2】
ある10人の数学の点数が、
「59,73,65,61,83,38,45,41,66,a」
点であった。
aの値は0以上の整数であるとすると、データの中央値として何通りの値が考えられるか?



【解説】
これも、理詰めで考えれば問題なく解けるはずです。

まず、a以外を小さい順に並べると、
「38,41,45,59,61,65,66,73,83」
となりますね。

「10個のデータの中央値」
ということは、
「5,6番目のデータの値」
で決まってくるので、
「aの値が何番目にくるかで場合分け」
して考えればいいですね。

(ⅰ)a≦59の場合→中央値は60
(ⅱ)60≦a≦64の場合→中央値は(a+61)/2
(ⅲ)a≧65の場合→中央値は63

∴7通り

(2021立命館