数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

ちょっとオモシロイ“理詰め”問題(2021ラ・サール中・改題)

“論理的にものごとを捉えようとする力”
は、「数学」を学び進めていく上で非常に大切ですね。

こどもの場合、この基本的な力が育ってきているか否かで、
「ものごとの理解力さらには応用力」
に大きな差が出てしまうことがあります。

例えば、以前からお伝えしている
「“受験算数”への対応力」
における差も、それに起因する部分が大きいです。

しかし、この力は先天的に賦与されたものでは決してなく、こどもの育つ環境次第で、時期の差はありこそすれ、いずれは身につくものです。

そして、「中学・高校課程の数学」が理解できるくらいまでは培ってほしい力です。

勿論、「論理的思考展開」だけでは、世の中のあらゆる事象を捉えたり新たなものを生み出したりすることはできません。

最低限の論理的思考力を培った上で、様々な自由な発想力を磨いていくことも大切になってきます。

そのための序章として、「数学」を学びながら、まずは論理的思考力を磨いておきましょう。


【問題】
123456789101112...A
のように、
「1からAまで左から順番に整数を並べてできる整数」
を考える。
下記の場合、その整数に「2021」という数の並びは何ヶ所現れるか?
(1)A=99
(2)A=9999
(3)A=99999


この問題は実際の中学入試問題をアレンジしたものなのですが、こどもから大人まで皆が同列に取り組める“ちょっとオモシロイ”問題です。

どんな“受験算数テクニック”を知っていても、またはどんな“高等数学テクニック”を知っていても、差はないでしょう。



【解説】
まず、この整数を、
「内包された連続する整数ごとに一つずつ区切る」
ことで捉えやすくしてみましょう。

そこで、
「1|2|3|4|5|6|7|8|9|10|11|12|...|A-1|A」
のように、
「|」
で区切って考えてみることにします。

そして、現れた“2021”の数の並びの
「どこに区切りが入っている可能性があるか」
で大別して考えてみるといいですね。


すると、題意に適するのは下記の4パターンだけです。

(ⅰ) |2021
(ⅱ) 20|21
(ⅲ) 202|1
(ⅳ) 2021|

これで下準備完了なので、あとは各々の場合で検討していけばいいですね。


(1)A=99の場合(→2桁の整数まで)
「パターン(ⅰ) かつ(ⅱ) かつ(ⅳ)」
しかあり得ませんね。

(2)A=9999の場合(→4桁の整数まで)
「パターン(ⅰ) かつ(ⅳ)」
と、
「パターン(ⅱ),(ⅲ)」
があり得ますね。

(3)A=99999の場合(→5桁の整数まで)
全パターンあり得ますね。


あとは、パターン毎に条件に適したものを数え上げていけばいいですね。



※どうしても自信が持てない場合は、答案をコメント(非公開)してもらい、正しければ「正解」とリプライしておきます。
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