数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

一見簡単そうな平面図形問題(2022西大和学園中)

その数によって学校を序列化してとらえることは、志望生にも在校生にも悪影響を与えてしまう可能性もあるのですが、“ある学力に秀でた生徒”がどのくらいいるかの指標とはなる“東大合格者数”。

最近の西大和学園においては、その数がかなり増えていますね。

当ブログでも、同校の“高校”入試問題を度々取り上げていますが、最近の問題は「上位向けの模試」として解いてみることを勧められるような内容のものが多かったこともあり、「なるほどねぇ」との感もあります。

そこで、“中学”入試問題もチェックしてみると、これまた中々オモシロイ内容でした。

大問1の2,3番目の問題であることもあり、一見すると「簡単!簡単!」との印象を持つ問題なのですが、ヘタをすると初っ端からペースを乱されてしまう人もいるかもしれません。

さぁ、サクッと解けるかどうか試してみましょう。


【問題-1】
AB=BC,AB〃DCである四角形ABCDがある。
∠ABCは鈍角で、頂点Aから直線BCに下ろした垂線の足をHとするとCD=2BHとなる。
∠ADC=122゜のとき、∠ABCの大きさを求めよ。


【問題-2】
正方形ABCDの辺BC上に点Eがあり、AD:CE=12:5である。
線分DE上に∠DAF=∠CDEとなるように点Fをとると、DF=5である。
このとき四角形ABEFの面積を求めよ。



その他にも、以前との違いを感じていたのが、豊島岡女子学園です。

「2022年から高校募集停止」を公表してからの、この3年間ぐらいの“高校”入試問題は、上位向けの模試として適した内容の良問が多かった印象です。

同校の今後の動向が楽しみです。



【解説-1】
ポイントとしては、まず
「点Bから辺BCに垂線BEをひく」
ことによって、
「△ABH≡△BCE≡△BDE」
に気づくことです。

これさえできれば、
「BA=BD」
より、
「∠BAD=∠BDA=58゜」、
「∠BCE=∠BDE=∠ABD=∠ABH=64゜」
がわかりますね。

∴∠ABC=116゜



【解説-2】
小学生は、
「線分比と面積比の関係」
を使って求めていくしかありませんね。

まず題意より、
「△ADF∽△DEC」
が導けるので、
「AF=12」
より、
「△ADF=30」

また、点Cから線分DEに垂線CGをおろすと、
「△ADF≡△DCG∽△CEG」
がわかるので、
「FE=109/12」
と求まります。

つまり、
「DF:FE=60:109」、
「AD:BE=12:7」
とわかるので、
∴四角形ABEF=2491/24


小学生の場合は、直角三角形の斜辺を直接求めることはできないので、上記のような方法で攻めるしかありません。

しかし、たとえ中学生以上で、
「3辺比が5:12:13の直角三角形」
を知っていたとしても、数値があまりにも“キタナイ”ので、それほどすんなりとは解ききれないでしょう。