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「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

「三平方を使わずに」がヒントになる問題(2021神奈川県立・改題)

昨日の神奈川県立の入試問題より、一般都立入試のための練習となる問題です。

「三平方」を使っても解けますが、若干計算が面倒になりますね。

「三平方を使わずに」という制約があることが、逆に簡単に解くためのヒントになるでしょう。



【問題】
1辺18の正三角形ABCの3辺AB,BC,CA上に、AD=BE=CFとなる点D,E,Fをそれぞれとる。
△ABC:△DEF=12:7となるとき、線分ADの長さを求めよ。
但し、AD<BDとする。


(答え;3)



【解説】
「三角形の面積比」
のみに着目して方程式を立てれば一発ですね。

「AD=BE=CF=x」
とおくと、
「DB=EC=FA=18-x」
となります。

題意より、
「△ABC:(△DEF以外)=12:5」
となるので、
「3×(x/18)×(18-x)/18=5/12」
という方程式が立てられますね。

「AD<BD」
を考慮して2次方程式を解けば、
∴x=3=AD



原題では、前段で
「△ADF≡△CFE」
を証明させているので、
“これらの面積そのものに着目”
して方程式を立てる流れにいきがちかもしれませんが、
“面積比のみに着目”
すれば、正三角形の面積を求めたりする手間が省けますね。