数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

「円周上の点」と確率(2021巣鴨)

円周上の点を結ぶと、
「どのような図形が形成されるのか」
という、
「円に関する基礎知識」
を問いながら、それに
「確率」
を絡めた定番問題です。

なお、円周を等分(三等分以上)した点を全て結んでいけば、必ず正多角形が形成されますね。

ですから、「正多角形の頂点」に関する問題の場合は、「円周上の点」と置き換えると考えやすい訳ですね。

このような問題には、内容的な目新しさはないものの、それに取り組む意義は、
「何の問題もなく素早く正確に解ききれるか」
を確認することにあります。


【問題】
円周を六等分した点の1つをAとする。
Aの位置にある点Pを、1個のサイコロを1回投げて出た目の数だけ、時計回りに1つずつ隣の点へ移動させる操作を2回行う。
点Pが、1回目の操作で移動した点をB、そこから2回目の操作で移動した点をCとする。
(1)3点A,B,Cを結ぶと三角形を形成する確率を求めよ。
(2)3点A,B,Cを結ぶと30゜の内角をもつ三角形を形成する確率を求めよ。


「どのように攻めていけば正しく解ききれるか」
という方向性を素早く見極める力は、応用問題になればなるほど大切になってきます。

このような基本問題に数多く取り組むことで、その力は養われます。



【解説】
(1)
「三角形を形成しない場合」
から考えていけばいいですね。

つまり、
「2点以上が一致する場合」
なので、
∴1-16/36=5/9


(2)
この設定では、
「30-60-90゜の三角形」
しか該当しないので、それを漏れなく数え上げればいいですね。

その際、
「∠Aが30゜の場合(4通り)」
と、
「∠A以外が30゜の場合(14通り)」
に分けて考えるといいでしょう。

∴1/2