全体として、神奈川県立入試としてはやや難易度が上がったように感じたのではないでしょうか。
国・私立の難関校を狙っていた受験生にとっては標準的内容だったでしょうが、この試験のみで合否が判断される学校を狙う受験生にとっては、
「[問3~6]の各最後の設問」
にてこずったかったかもしれません。
その中から、1問だけ解説してみましょう。
[問3(エ)]の円問題です。
出題サイドとしては、
「CDに補助線を引く」
ことで、
「相似な三角形を見つける」
という流れの解き方をイメージしていたかもしれません。
しかし、焦っていると、この方法で相似な三角形を見つけるには、時間がかかってしまうかもしれません。
しかし、
「直線AD,CBの交点(G)をとる」
という鉄則とも言える取り組み方で臨んでいれば、難なく解けたでしょう。
「△ACG∽△BDG」
にはすぐ気づけるでしょうから、これを用いて線分BDが求まりますね。
都立高校をめざす受験生は、最後の模試として、時間内に解ききれるか取り組んでみるといいと思います。
(※進学指導重点校志望の受験生は満点をめざしましょう。)
「三角形の合同の証明」の設問でも、穴埋めではなく、自分の考える流れで“記述式問題”としてイメージしておくのもいい練習となります。
★2022/2/19追記
都立受験生(or神奈川県立追試受験生)で、身近に的確な解説をしてくれる先生がいない人もいるようなので、その他の問題の解き方も解説しておきます。
皆さんの健闘を祈ります!
[問4(ゥ)]
Gの座標は、線分EFの中点で直線AC上にあることから求まりますね。
それを用いて、
「各三角形の面積を求める」
ことで面積比を求めればいいでしょうが、
「△BGFが△AGF=△AGEの1/2」
であることから、
「AG/2:GCの線分比」
から求めてもいいでしょう。
[問5(ィ)]
この設問を解くのに一番時間がかかるでしょうから、一番最後に回すべきでしょう。
一見、
「2次不等式?」
と思いきや、県立入試問題なので当然、
「1次不等式」
を解く形になり、それを元に絞り込んでいきます。
但し、サイコロの目の出方によって、その都度計算して考えなければいけないので、時間がかかってしまいますね。
「PR=x」
とおくと、題意を満たすには、
「x≧25/4」
となり、これを満たす目の出方が
「10通り」
あることがわかり、確率が求まります。
[問6(ゥ)]
定番の“ひもかけ”問題なので、展開図を元に「相似・三平方」から計算するだけですね。
但し、
「2辺が3/5,29/5の直角三角形の斜辺」
を求めなければならないので、若干計算が面倒にはなりますね。