円錐の“ある性質”が絡んでいる問題なのですが、それを知らなくとも解けてしまう問題です。
むしろ、“ある勘違い”をしたまま正答を導き出した受験生が多かったのではないでしょうか。
【問題】
「AB=4の長方形ABCDの紙」がある。
(辺ADの中点をM。)
この紙を、辺と辺が重なるように丸めて「円柱の筒」をつくる。
この筒の中に、
「底面(円O)の半径が3、母線(PQ)の長さが9の円錐」を、母線PQの一部が線分ABとピッタリと重なるように入れた。
筒の点Bと円錐の頂点Pは重なっており、点Mは円錐の側面にくっついている。
このとき、長方形ABCDの辺ADの長さは?
(但し、紙の厚さや筒の変形は考えないものとする。)
(答え;16√2π/7)
【解説】
この条件の状態で、
「点P,Q,O,Mを含む平面」
で切断すると下図のようになります。
△OPQ∽△SRQ
となりますから、
RS=4√2
△PSR∽△PAMで、
PS=7,PA=4
となりますから、
AM=4√2×4/7=16√2/7
ADは
「AMを直径とする円周」
と等しくなりますから、
∴AD=16√2π/7
このように、問題を解くことはできるはずです。
しかし、今回のメインテーマは、
「筒の上面における円錐の切断面」
を正しく理解できていたか、です。
試験中の切羽詰まった状況ならば、
「円」
と勘違いして解いてしまった受験生が多かったのではないでしょうか。
(見取り図にもそのような図が描かれていますし…。)
正しくは、
「楕円」
となります。
つまり、筒の上面を含む平面において、
「円錐と筒とは2点A,Mでしか接していない」
のです。
もっとも、これが理解できていなくとも正答にはたどり着けるので、余計なお節介と思ってもらっても構いません。
何か引っかかりを感じた人は、色々と調べてみることをお勧めします。