立体の表面上に、その長さが最短となるようにひもをかける設定で出題される“ひもかけ”問題。
定番問題の一つでもあるので、解いたことがある受験生も多いことでしょう。
ただ、どんな設定であってもその取り組み方は変わらないので、特に数学が得意な人ほど「あぁ、あれね」とあまり重視していないかもしれませんね。
そんな人ほど一度は解いておいてほしい問題です。
もしも「3√3」という答えが出たのであれば、「今のうちにやっておいて良かったねぇ」となることでしょう。
【問題】
底面の半径が2、母線の長さが6の直円錐がある。
円錐の頂点をOとし、線分ABが直径となるように点A,Bを底面の円周上にとる。
母線OA上にOP=2となる点Pをとり、母線OB上に点Qをとる。
点Bから点Pを通るようにして点Qまでひもをかける。
ひもの長さが最短となるような位置に点Qをとるとき、そのひもの長さを求めよ。
【解説】
“ひもかけ”問題は、展開図上で考えるのが鉄則でしたね。
まず、この円錐の側面の展開図は、
「中心角120゜のおうぎ形」
となるので、
「母線OBで切り開いた展開図(OBAB')」
で考えることにしましょう。
点Pを通ることが条件付けられているので、
「直線BPをひく」
という流れで解いていくことになるでしょう。
その際に、
「直線BPと線分OB'の交点をQ」
と、ついつい捉えがちであることに注意しましょう。
その流れで解いていくと、数学を得手とする人ならではの計算の末に「3√3」が出てくる訳です。
正しくは、
「点Pから線分OB'に下ろした垂線の足が点Q」
となるので、最短の長さは
「線分BP+線分PQ=2√7+√3」
と求めなければいけませんね。