数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

展開図→立体組み立て→“ひもかけ”問題(2020神奈川県立)

つい先日の神奈川県立入試問題からの出題です。

全く何の関係もない学校どうしであるのに、なぜか同じ年の入試問題の傾向がシンクロしてしまうことがあります。

都立受験に向けて頑張っている皆さんも、解いておくと役立つことがあるかもしれません。


【問題】

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五角形ABCDEは三角錐の展開図であり、AB=BC=CD=DE=EA=6,∠B=∠C=90゜である。
線分BCの中点をFとし、線分AF,DFの中点をそれぞれG,Hとする。
この展開図から、線分AF,FD,DAを折り目として、3点B,C,Eが1点(I)に集まるように三角錐IAFDを組み立てる。

(1)この三角錐の表面積を求めよ。

(2)この三角錐の体積を求めよ。

(3)この三角錐の表面上を、点Gから辺AI,DIと交わるように点Hまでひもをかけるとき、ひもの最短の長さを求めよ。但し、ひもの太さは考えないものとする。

(※文章表現のみ改題)


(1),(2)をサッと解いて、(3)をいかに簡単に求めるかがポイントですね。
(目標時間:8分以内)


【解説】
(1)
五角形ABCDEの面積を求めればよいので、
∴36+9√3


(2)
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面ADIと辺FIは、
「直線と平面の直交条件」
を満たすので、
∴9√3


(3)
ひもがかけられる面のみを展開図として表すと下図のようになりますね。

f:id:booterpig:20200217172113j:plain

この展開図における「線分GHの長さ」がひもの最短の長さとなりますね。

そうすると、
「四角形AFFDは台形(AD=6,FF=3√3)」
となり、
「点G,Hは辺AF,DFの中点」
であるので、
“台形の中点連結定理”
を用いて、
∴3+3√3/2



“台形の中点連結定理”に抵抗があるならば、
「AD〃GH〃FF」
を導いてから、2つの三角形で中点連結定理を用いて、
「GH=AD×1/2+FF×1/2」
で求めても構わないでしょう。