「正三角錐」
という呼称はあまり使いませんが、前回の
「正四角錐」
と対比するために用いました。
要は、
「三角錐(or四面体)」
の上級レベルの切断(or体積比)問題です。
実際の入試においては、全てを解ききるのは時間的に厳しかったでしょう。
しかし、難関校をめざす場合、このような問題を時間をかけてでも解ききることは、幾何問題に強くなるためのいい練習になります。
【問題】
AB=AC=AD=6,BC=BD=CD=4である四面体ABCDがある。
辺ABの中点をPとし、辺AC,AD上にそれぞれ点Q,RをAQ>ARとなるようにとる。
△PQRが二等辺三角形であり、四面体APQRの体積が四面体ABCDの体積の1/324となるような線分AQ,ARの長さの組を全て求めよ。
答え;
(AQ,AR)=((7+√47)/3,(7-√47)/3),(2,1/9),(3,2/27)
【略解】
まずは、
「△PQRが二等辺三角形」
となるのは、どのような場合かを考えますね。
当然、3パターン思い浮かぶはずですから、場合分けしてそれぞれを吟味していきます。
但しここでは、解き方の詳細ではなく“注意点”に着目してみましょう。
(ⅰ)点Pが頂角頂点(PQ=PR)となる場合
一番考えやすいのが、「AQ=AR」となるパターンですが、「AQ>AR」を満たさなくなるので注意しましょう。
よって、残りの「AR<AP<AQ」のパターンだけ計算すればいいですね(2面のみの展開図↓参照)。
(ⅱ)点Qが頂角頂点(QP=QR)となる場合
これも、「AP=AR」となるパターンが一番考えやすいですね。
しかし、「AQ>AR」を考慮すると「1/324の条件」を満たさなくなるので注意しましょう。
よって、残りの「AR<AQ<AP」のパターンだけ計算すればいいですね。
(ⅲ)点Rが頂角頂点(RP=RQ)となる場合
これも、一番考えやすいのが、「AP=AQ」となるパターンでしょう。
この場合においては、「AQ>AR」を満たすことは可能ですね。
逆に、残りの「AP<AR<AQ」のパターンでは「1/324の条件」を満たしませんので注意しましょう。
実際の入試においては、この吟味をした後で面倒な計算も行わなければいけないので、かなり厳しい状況だったでしょう。
しかし、このような
「様々な場合分けと論理的な分析」
をめげずに行える力は、高校生~大学生~社会人となっても鍛えていくべき大切な能力となってきます。